プレゼンにも役立つ2:6:2の法則【プレゼンに笑いをプラスするコツ36】
「プレゼンに笑いをプラスするコツ」シリーズの第5回では、多くの人が悩む「緊張」について取り上げてみたいと思います。
緊張したらどうしよう…
多くの人の前で話すことに慣れていない人にとって、「緊張したらどうしよう」という気持ちが一番の大きな悩みなのではないでしょうか?緊張のあまり頭が真っ白になる、ドキドキする、顔が赤くなる、手が震える、トイレが近くなる…そんなことを考え始めたらますます不安になり、せっかくプレゼンに挑戦し、自分を成長させるチャンスが訪れたにもかかわらず、なんだか憂うつだなあと思う方も多いかもしれません。
私もどちらかと言うと緊張するタイプです。年間200回近く大道芸や講演を行っていますので、本番前に手が震えることはありませんが、「今日は皆さんに喜んでいただけるだろうか」という不安は常にあります。
(※ちなみに私は緊張すると頻尿気味になりますので、出番前には必ずトイレを済ませておきます。本番中は集中していますので平気ですが、トイレのないバスなどでの長距離移動は未だに苦手です。下品な話で恐縮です)
ただ、実は緊張するのは必ずしも悪い事ではありません。そう聞いただけで、少し安心できませんでしたか?その根拠を解説します。
適度な緊張はパフォーマンスを高める
YouTubeやFacebookで積極的な情報発信をしていることで有名な精神科医樺沢紫苑氏の大ベストセラー『学びを結果に変えるアウトプット大全』に、このような記述がありました。
「ある程度の「緊張」があったほうがパフォーマンスはアップする。緊張は敵ではなく、味方である」(p.71)
少し緊張しているくらいの方が、むしろパフォーマンスは高まるのです。
緊張とパフォーマンスとの関係をグラフにしました。
(※グラフは、『学びを結果に変えるアウトプット大全』のpp.70-71を元に、独自に作成したものです)
緊張が強すぎるとプレッシャーを感じてしまいパフォーマンスを下げてしまいますが、緊張がなさすぎの場合もリラックスしすぎでだらけてしまい、パフォーマンスは向上しません。適度に緊張している状態の時が最も集中し、パフォーマンスが高まります。ですから、本番前に緊張してきたら、「お、これから集中できるモードに入ったぞ、今日はラッキーだ」と思うような習慣をつけてみることをおすすめします。緊張は必ずしも悪くないと知っているだけで、緊張を感じなくなるものです。
実はまったく緊張感がない時の方がパフォーマンスが下がってしまうことは、私自身何度も経験し、痛い目に合っています。大道芸で新しいネタをやる時や普段やらないテーマの講演をする時には入念に準備し気合が入っていますので上手く行くことが多いのですが、次の日に知り合いの余興で10分くらいいつも通りの芸をすればいい時などに、前日の解放感でリラックスしすぎて初心者レベルの凡ミスをすることがあります。本当に申し訳ない限りですが、適度な緊張感はやはり必要です。
緊張するのは、大事な仕事だと思っているからこそ
読者の皆さんが仕事で人前でお話をする時に緊張するのは、その仕事が自分自身や会社、お客様にとって大事であると理解しているからこそです。もしもどうでもいい仕事ならば緊張することはありません。ですから、まずは緊張している自分を受け入れ、ここまで頑張ってきたことを誇りに思い、実力以上に見せるのではなく、普段通りの自分を見せるのが一番だと思います。
それに、緊張している姿を他の人に見せることも全く恥ずかしいことではありません。以前「自己開示の返報性」のお話を投稿しました。人間らしい姿を見せることは、見ている人の心を開くことにもつながる可能性がありますから、ぜひ安心してください。(自己開示の返報性についてはこちら)
それでも緊張で大失敗してしまった場合、失敗そのものを取り返すことはできませんが、今回の内容を振り返って改善することはできます。次の回に挽回して、少しずつ自信を深めてください。私だって大道芸で全くお客さんを集められず1日の投げ銭が200円しか稼げなかったことがありますが、そのことを責め続ける人はいませんし、無事に大道芸人を続けることができています。
とはいえ、体の異変が出るような緊張はやはり避けたいと思うのが人情ですよね。次回以降で緊張の原因についてもう少し掘り下げてみたいと思います。
参考文献
樺沢紫苑(2018)『学びを結果に変えるアウトプット大全』サンクチュアリ出版
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