”訴訟ゼロ”経営を維持する秘訣
― 手続きを不利にしないために ―
はじめに|「善意でやったこと」が問題になることがあります
自己破産を考え始めた方の多くは、
「まだ確定したわけではない」「迷っている段階」
という状態にあります。
その中で、
・ 少しでも返しておいた方がいいのではないか
・ 家族や知人に迷惑をかけないようにしたい
・ 先のことが分からず、とりあえず動いてしまう
こうした思いから取った行動が、
結果として手続きを不利にしてしまうケースを、実務ではしばしば見かけます。
ここでは、自己破産を検討し始めた段階で
特に注意しておきたいありがちな行動を整理します。
自己破産前に、特定の相手だけ返済を続けること
「親族や知人からの借金だけは返しておきたい」
「付き合いのあるところに迷惑をかけたくない」
このような気持ちは自然ですが、
自己破産を視野に入れている状況での特定債権者への返済は、
手続上、問題になる可能性があります。
これは、
すべての債権者を平等に扱うという考え方が、
破産手続では重視されているためです。
善意であっても、
結果として説明を求められたり、
手続きが複雑になったりすることがあります。
財産を処分・名義変更してしまうこと
「どうせ取られるなら、先に処分してしまおう」
「家族名義にしておけば問題ないのではないか」
こうした判断で、
・ 預金を移す
・ 名義を変更する
・ 財産を売却する
といった行動を取ってしまう方もいます。
しかし、これらの行動は、
後になって説明が必要になる典型的なポイントです。
手続き前に動いてしまうことで、
手続きの負担が増える結果的になります。
借入やクレジット利用を続けてしまうこと
返済に行き詰まり、
「一時的にしのげば何とかなるかもしれない」
と考えて、借入やカード利用を続けてしまうケースもあります。
自己破産を検討する状況における新たな借入は、
後から問題点として取り上げられやすくなります。
自分では「生活のため」と考えていても、
状況によっては説明が難しくなることがあるため、
慎重な判断が必要です。
曖昧な認識のまま、情報を出さないこと
自己破産の手続では、
・ 収入の状況
・ 支出の状況
・ 財産の有無
といった情報を整理する必要があります。
このとき、
・ よく覚えていない
・ たいした金額ではない
・ 省いても問題ないだろう
と勝手な判断で情報が抜けてしまうと、
後で説明を求められることがあります。
正直に把握し、整理することが大切になる場面です。
判断に迷う段階こそ、整理が重要です
ここまで見てきたように、
自己破産を考え始めた段階では、
・ 何もしないつもりでも状況が動いてしまう
・ 善意の行動が後で問題になる
ということが起こり得ます。
大切なのは、
迷っている段階での行動が、その後に影響する
という点です。
まとめ|結論を急がず、まずは状況を整理すること
自己破産を実際に選ぶかどうかは、
個々の状況によって異なります。
ただ、少なくとも、
・ 判断がつく前に行動してしまう
・ 情報不足のまま進めてしまう
ことは、避けたいところです。
自己破産を含めた選択肢を考える際には、
全体像をいったん整理することが出発点になります。
自己破産について全体像から整理したい方は、
→自己破産を考えたとき、最初に整理すべきポイント
も参考にしてみてください。



