不均衡による技術発展 ~20世紀の席巻と21世紀の失速~
新型コロナの感染拡大で最初の緊急事態宣言が出されたころ、多くの職場でテレワークが導入されました。
弁護士業務の大部分は「情報処理」が占めますので、基本的にテレワークになじみやすいと言えます。
そこで、書類はクラウドドライブに保存します。
依頼者とはメール、zoom、SNSで打合せを行います。
FAXはメールの添付書類として扱えるものを使います。
電話はクラウドPBXにします。
こうすると、どうしても事務所が必要になるのは、郵便の受取りと、事件受任時の初回面談くらいになってしまいます。
弁護士は、弁護士法によって複数の事務所を設けることを禁止されていますので、これに抵触しないかという心配すら浮かんでくるほどになります。
自宅でテレワークをするにあたって最大の問題は、そこが仕事をするのに特化された事務所ではなく、自宅であるということです。
自宅でテレワークをする限り、自宅であることから逃げることはできません。
そこでこれを解決するために、自宅内に仕事をするのに特化されたエリアを設けることになります。
自宅内事務所ですね。
自宅がうんと広ければいいのですが、残念ながらそうではありません。
なかなか「特化されたエリア」というわけにはいきません。
じゃあ、どこか自宅の近くに場所を借りる?
いえいえ、そもそも事務所があるではないですか・・・。
ということで、テレワークは一周回ったのでした。
通勤の問題と事務所内の接触の問題とをクリアするのが、結局のところ吉なのでしょうか?