【宗教法人の管理・運営(17)】 -役員の解任-
(職務権限)
第15条 仮代表役員又は仮責任役員は、前条に規定する事項について当該代表役員若しくは責任役員又はその代務者に代わってその職務を行う。
仮代表役員及び仮責任役員の職務権限
仮代表役員及び仮責任役員の職務権限は、法21条3項に規定されています。
仮代表役員を選任しないでした代表役員の利益相反行為は、無権代理となります。
無権代理というのは、代理権がないのに代理人として行動したということです。
無権代理行為は、その効果が本人(この場合は宗教法人)に帰属しません。
しかし、無権代理行為は追認することができます。
この場合、責任役員会で代表役員の行為を承認する旨の議決をして、これを仮代表役員が行為の相手方に通知すれば、代表役員の行為は行為の時から有効となり、宗教法人に効果が生じます(民法113条)。
責任役員会で承認されない場合、行為の相手方は、契約の取消し又は代表役員の責任追及が可能になります。
もっとも、仮代表役員を選任しなければならない場合かどうか、相手方には分からない場合もあります。
相手方が、代表役員に代表権がないのを知らなかったのも無理はないという事情の下で、代表役員の行為に関して宗教法人に落ち度があったような場合、代表役員の行為の効果が宗教法人に及ぶことがあるので注意を要します。