目が飛び出るような着手金の額ですね。
弁護士の田沢です。
判決文を偽造した大阪の弁護士が,ようやく逮捕されたようです。弁護士名を見ますと,どうやら受験時代からの知人のよ
うで,失踪中にお遍路さんまでやっていたとのこと。どうしてそこまで落ちてしまったのか。あの人が…。溜息しか出ませんね。
http://www.sankei.com/west/news/150929/wst1509290059-n1.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150929-00000107-mai-soci
この件に関して,小職,6月に取材を受けていました。
↓↓
http://www.bengo4.com/c_1009/n_3234/
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150612-00003234-bengocom-soci
大阪弁護士会所属の男性弁護士(58)が、大阪府内の機械製造会社社長から頼まれた民事訴訟を起こしたように見せかけ、裁判所の「判決書」や「決定書」などを勝手に自作し、依頼者に渡していた疑いがあると報じられている。
朝日新聞によると、大阪府内の機械製造会社社長は、この男性弁護士に対して、2005年〜2010年に支払った着手金や慰謝料など合わせて1900万円の支払いを求めた訴訟を起こしている。男性弁護士は6月11日に開かれた第一回口頭弁論で、請求を棄却するよう求めたという。
原告側の訴えによると、社長が弁護士から渡された「書面」では、社長側が勝訴して賠償が認められたことになっているケースもあれば、訴えが認められず控訴して裁判を続けていることになっているケースもあったそうだ。裁判の期日がコロコロ変わることを不審に思った社長が今年4月、別の弁護士に調査を依頼したところ、男性弁護士が裁判を起こす手続きをしていなかったことが発覚したという。
裁判所から通報を受けた捜査当局も、有印公文書偽造・同行使の疑いで捜査を始めたという。どんな犯罪なのだろうか。元裁判官の田沢剛弁護士に聞いた。
●ハンコの有無で罪が変わる
「『有印公文書偽造・同行使』は、ひと言でいうと、『ニセの公文書を作って使う』という犯罪です。
判決書や決定書は、まさに『公文書(公務所もしくは公務員の作成すべき文書)』にあたります。これらは、裁判所(裁判官)が作成すべきものです。弁護士に作成権限はありません。
ここでの偽造とは、作成権限のない者が、他人名義の文書を作成することを意味します。
したがって、もし依頼者から民事訴訟を受任した弁護士が、勝手にこれらの文書を作成した場合には、『公文書偽造罪』(刑法155条)に該当します」
今回の容疑で、「有印」とあるのは、どういう意味だろうか? ハンコ(印章)の有無で、違いがあるのだろうか?
「公文書偽造罪には、『有印公文書偽造罪』(同条1項)と『無印公文書偽造罪』(同条3項)があります。
『有印』の前者は、公務所もしくは公務員の『印章または署名を使用して』偽造した場合の罪で、1年以上10年以下の懲役に処せられます。
一方で、『無印』の場合、つまり『印章または署名を使用しないで』偽造した場合は、3年以下の懲役または20万円以下の罰金に処せられます。
このように『有印』のほうが、はるかに重く罰せられることになっています」
●当事者に交付されるのは「正本」
判決書や決定書には、ハンコが押されているものなのだろうか?
「一般的に、裁判官が作成する判決書や決定書の原本は、裁判官名と裁判官の印鑑が押捺されたものであり、裁判所において記録として保管されます。当事者に交付されるのは、『これは正本である』とする裁判所書記官の証明印が押捺されたコピーです。『正本』というのは、『原本とまったく同じ効力を有するものですよ』という意味です。
今回の事件について詳しいことはまだ分かりませんが、依頼者に渡された『判決書』には、おそらく裁判所書記官の印章が使用されていたのではないかと思われます」
●「文書に対する社会の信頼」を守るのが目的
それでは、なぜハンコが押されているほうが、罪がはるかに重いのだろうか?
「公文書偽造罪は、文書に対する社会の信頼を保護するために設けられた犯罪です。印章や署名は文書の信頼性を担保するためのものですから、それらを使用する偽造のほうが、より悪質であるという考え方のあらわれです」
今回、報道された偽造事件は「有印公文書偽造」に加えて、「同行使」の疑いがあるとされている。
「『同行使』というのは、このように偽造された公文書を、利害関係を有する者に示して使用することで、偽造公文書行使罪(刑法158条)のことです。『行使』の法定刑は、公文書偽造罪と同じとされています」
ところで最近、なんだか弁護士の「不祥事」が数多く報じられている気がするが・・・。
「高いモラルを要求されるはずの弁護士の不祥事が後を絶ちません。どうしてこのようなことが続くのか、司法制度改革で弁護士を増員し過ぎたからではないかといった意見もあるところですが、弁護士に対する社会の信頼が失われないように、個々の弁護士が日頃から肝に銘じて活動する必要があります」
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