裁判官の信じ難い和解案の話

田沢剛

田沢剛

テーマ:古巣の裁判所

弁護士の田沢です。

昔,不法占拠者に対する土地明渡訴訟をやって,こちらの主張が認められて勝訴判決が確定しました。このときは,依頼者の意向で不法占拠に伴う賃料相当損害金の請求をしなかったのですが,判決が確定しても土地を明け渡さなかったから,明渡済みまでの賃料相当損害金の支払いを求める別訴を提起したところ,土地明渡訴訟と同じ裁判官が担当することになったのですが,和解の話になって,こちらは,まだ土地を明け渡してもらえない状況が続いているから和解などできるわけがないと考えていたところ,裁判官は,「明け渡してもらうために,この程度の金額で譲歩したらいかがですか?」などと打診してきました。これって,不法占拠者であることが確定した人物に対し,被害者が逆に金を払って明け渡してもらうのと同じなんですよね。裁判官は,自分の下した判決に従わない不法占拠者に有利になるような,こんな非常識な和解を薦めたりするんですよ。

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田沢剛(弁護士)

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所

裁判官時代に民事,刑事を含めて様々な事件を担当しました。紛争処理にあたり,裁判所がどのような点を問題にしているのか,どの部分の証拠が足りないのかなど,事件の見通しを踏まえたアドバイスを心掛けています。

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