簡易裁判所の裁判官

田沢剛

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弁護士の田沢です。

下級裁判所の中に簡易裁判所というところがあります。司法試験に合格して裁判官になると,判事補というものに任命され,まずは地方裁判所の裁判官となります。10年前後で高等裁判所の裁判官になることもありますが,普通は簡易裁判所の裁判官になることはありません。判事補は,6年目から特例判事補として,単独で訴訟を扱うことができるようになるのですが,そのための練習(?)の意味で,場所によっては,5年目に簡易裁判所判事の発令を受けて,簡易裁判所の裁判官として仕事をすることもあります。私も広島地方裁判所福山支部に勤務していた時,判事補5年目において,もっぱら福山簡易裁判所裁判官として仕事をしておりました。ただ,それも例外であって,基本的には,簡易裁判所の裁判官は,ある程度の経験を積んだ幹部書記官が試験を受けて簡易裁判所裁判官になるルートと,司法試験に合格して裁判官となり,地方裁判所で定年を迎えたお偉い裁判官が退官したうえで,それよりも定年の長い簡易裁判所裁判官に転じるというルートがあります。このお偉い裁判官が簡易裁判所裁判官となって舞い降りてきますと,一般市民に一番近いはずの簡易裁判所でも,高圧的な態度で訴訟指揮をしているのをよく目にしますね。困ったものです。

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田沢剛(弁護士)

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所

裁判官時代に民事,刑事を含めて様々な事件を担当しました。紛争処理にあたり,裁判所がどのような点を問題にしているのか,どの部分の証拠が足りないのかなど,事件の見通しを踏まえたアドバイスを心掛けています。

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