成年後見人報酬

田沢剛

田沢剛

弁護士の田沢です。
以前,成年後見人をやっていた時の話です。従前の成年後見人(被後見人の親族)に不信感をもった家庭裁判所が,その成年後見人を説得して,弁護士の成年後見人に切り替えるべく,辞任とともに,新たな成年後見人選任申立てをするよう促しました。家庭裁判所は,新たに選任される弁護士の成年後見人の報酬を,月額数万円程度の予定との説明をしていた模様で,従前の成年後見人は,その説明を聞いて渋々これを受け容れて後見人を辞任し,小職が新たな成年後見人に選任されました。選任後,裁判所の異動で裁判官が交代したのですが,選任から3か月ほど経過して,被後見人が死亡してしまい,後見事件としては当然終了となりました。その僅か3か月ほどの期間の成年後見人報酬として,新たな裁判官は,100万円と決定しました。事前に聞いていた話と異なる決定が出た従前の成年後見人は,納得がいかず,なかなか支払をしようとしませんでしたが,最終的にはその決定を受け容れて支払ってくれました。後にトラブルにならないよう,裁判所には,常識的な決定をしてほしいと感じた事件でした。

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田沢剛(弁護士)

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所

裁判官時代に民事,刑事を含めて様々な事件を担当しました。紛争処理にあたり,裁判所がどのような点を問題にしているのか,どの部分の証拠が足りないのかなど,事件の見通しを踏まえたアドバイスを心掛けています。

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