あのとき任意後見契約を締結しておいてよかった|身寄りのない独居高齢者を支える 平塚共済病院にて
「あのとき私も結婚をしていれば、今頃はあのくらいの息子がいたのかもしれないわね」
これは、本日、平塚公証役場にて、遺言公正証書・任意後見契約公正証書を作成した身寄りのない独居の80歳代の女性が、私と彼女を引き合わせてくれた地域包括の担当者の方に仰った言葉だそうです(私は全く気づきませんでしたが、『加藤さんのこと、きっと息子のように思っているのではないですか』と地域包括の担当者の方がそっと耳打ちしてくれました)。
あなたと初めてお会いしたのは今年の5月の終わりのこと、おひとり暮らしが少しずつ不安に感じていたあなたをずっと気にかけていた地域包括のご担当者のお引き合わせがきっかけでしたね。
ご自身の人生をどのように締めくくるか、そのために私ができることをお話しすると、「これからひとつひとつできないことが増えていく。一晩考えても同じことです。そのくらいの費用で出来るのならいい機会です。これからよろしくお願いします。」と即決されたのですが、生涯独身を通しつつご自身の人生を積み重ねてこられてきたあなたの笑顔には自信と強さ、そして優しさがたくさん溢れていたのが印象的でした。
日々の日常生活や金銭管理、いつどこでどんな医療や介護を受けたいのか、いよいよ人生の幕を降ろす時がきたら延命治療はどうするか、この世を旅立ったらどこでどんなかたちで土に還るか・・・・・
Yさん、何の心配もいりません。私は、あなたがこの世を去る最期の日までずっとあなたの隣を歩いていきます。ゆっくりと歩きながら、そして疲れたら立ち止まって、人生会議をやっていこうじゃありませんか。
あなたの理想とする「息子」になれるかどうかは分かりませんが、いつの日か、「あのときあの人に出会えて本当に良かった」と思ってもらえるように。