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加藤俊光

おひとりさま・おふたりさまの様々な悩みに寄り添う行政書士

加藤俊光(かとうとしみつ) / 行政書士

相続まちなかステーション/加藤法務行政書士事務所

コラム

平塚でおなじみの相続の専門家がラジオで語る 相続事例検討 Ⅰ ~ 子どものいない夫婦の相続 ~

2019年9月26日 公開 / 2020年5月28日更新

テーマ:メディア出演・掲載実績【平塚|行政書士】

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き遺言書 作成

 

夏の終わりを感じさせられる午後でした


白露も過ぎて日没後は夏の終わりを感じさせられることが多くなってきました。相続まちなかステーションのある神奈川・平塚も、朝晩を中心に少しずつ過ごしやすくなってきており、今年の猛暑の記憶を懐かしみつつ振り返っている方も多いのではないでしょうか。そんな、9月19日(木)の昼下がりにFM湘南ナパサ『ナパサタイムス☆アフタヌーン』にコーナー出演してまいりました。



相続遺言相談 平塚|相続まちなかステーション




番組の内容 相続事例検討 ~ 子どものいない夫婦の相続 ~


2011年7月以来、おかげさまでナパサのコーナーでお話をさせていただいて早いもので今回で99回目の出演となりました。今月からは、身近に起こりうる事例検討を3回にわたって行っていきたいと思いますが、第1回目の今月は「子どものいない夫婦の相続」について見ていきます。相続というと、「配偶者」そして「子ども」というイメージが浮かびますが、子どものいない夫婦の場合にはどのような問題が起こりうるか、そしてどのような対応が必要になるかについて検討しておきます。

まずは、今月もテーマに関わる出題をしますので皆さんも一緒に考えていきましょう。

 次の、相続や遺言に関する設問は、正しいか間違っているかを答えてください。

【設問】
 A夫妻にはひとり息子がいたが、3年前に交通事故で死亡しており、息子の嫁は子どもを連れて実家へ戻り他の男性と再婚をしている。このような事情の下で、今後万一夫が亡くなってしまった場合、妻は夫の財産をすべて相続することができる。

 さて、設問の記述は正しいでしょうか?それとも間違っているでしょうか?

 本問では、A夫妻にはひとり息子がいたが3年前に死亡しており、息子の嫁は子どもを連れて実家に戻り他の男性と再婚をしている状況で、Aさんが亡くなった場合に相続人となるのは誰かが問題となります。Aさんの妻である配偶者が相続人になるのはよしとして、他に相続人がいるのかいないのか、はたしてどちらでしょうか。
 Aさんのひとり息子は3年前に死亡していますので、当然相続人にはなれないのですが、問題はAさんには実家に戻られたAさんのお嫁さんとの間に子どもがいるため、この子ども(Aさんから見ると孫)は代襲相続人としてAさんの相続人になることになります。ここで、代襲相続とは相続人が被相続人よりも前に死亡した場合に、その相続人が相続するはずだった相続権を承継する制度をいい、子や孫だけでなく兄弟姉妹や甥・姪などが代襲相続人になることもあります。
 これを前提に検討してみると、本問ではA夫妻には3年ほど前に交通事故で亡くなったひとり息子がおり、ひとり息子は子をもうけていることからこの子(Aさんから見ると孫)は代襲相続人としてAさんの相続人たる地位を有します。Aさんの息子さんのお嫁さんが実家に帰り他の男性と再婚をしていたとしても、Aさんの孫である以上は代襲相続人たる地位を失うこともありません。したがって、今後Aさんが亡くなった場合、相続人はAさんの妻と代襲相続人である孫となるため、妻は夫の財産をすべて相続することはできないと考えられます。

 以上より、本問は誤りと判断できるでしょう。

【身近な相続事例の検討 ~ 子どものいない夫婦の相続 ~】

 晩婚化や少子化に伴い、子どものいない夫婦が急増しています。子どものいない夫婦の場合、相続人は配偶者だけでなく、親や兄弟姉妹、甥や姪まで含まれる可能性があることから、事前の相続対策が欠かせないといえるでしょう。
 残された配偶者が困惑したり、万が一にも思いがけないトラブルに巻き込まれることのないように、元気なうちから夫婦がともに納得のできる相続対策をしておくことを強くお勧めします。

子どものいない夫婦、お互いを思いやる相続対策をしておきたい。いますぐまちなかステーションに相談する  

   

番組出演の感想 


今回のテーマは『身近な相続事例の検討 ~ 子どものいない夫婦の相続 ~』でしたが、私は、開業以来の9年間で、子どものいないご夫婦の相続対策を数件ご提案させていただいた実績があります。ひと組でも多くの子どものいないご夫婦が、他人ごと思わずにご自分たちにも起こりうるという認識を持っていただくとともに、万一相続トラブルになってしまった場合には是非とも早めに私たち法律専門職に相談していただけることを願っております。

これからも、相続まちなかステーション 代表 加藤俊光は、身近な相続・遺言に関するテーマを題材にしながら、地域の皆様に役立つ情報をご提供できるよう頑張ってまいります。最後になりましたが、山田博康さん、そしてお聴きいただいたリスナーの皆様、ありがとうございました。

この記事を書いたプロ

加藤俊光

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加藤俊光(相続まちなかステーション/加藤法務行政書士事務所)

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