相続の専門家 『平塚駅前|相続まちなかステーション』 代表の加藤俊光が雑誌に掲載されました
秋の深まりを感じる午後でした
10月も後半に入りました。相続まちなかステーションのある神奈川・平塚でも、この夏の猛暑が嘘のように朝晩は少し寒さを感じるようになり、ストーブやこたつなどの暖房器具の出番も近くなってきたような気がします。そんな、10月18日(木)の昼下がりにFM湘南ナパサ『ナパサタイムス☆アフタヌーン』にコーナー出演してまいりました。
番組の内容 相続相談の現場から 2 ~ 介護と相続の意外な関係?! ~
2011年7月以来、おかげさまでナパサのコーナーでお話をさせていただいて早いもので今回で88回目の出演となりました。今月も、相続まちなかステーションに実際に寄せられた相談事例をもとに誰にでも起こりうる身近なテーマを題材にケーススタディをしていきたいと思います。
本来、介護と相続は全く関係のないお話しなのですが、介護も相続も人生の最終章で起こるイベントであり、どちらもそれまでの人間関係によっては大きな波乱を巻き起こすばかりか大きなトラブルの原因となる可能性を秘めているのが共通点と言えるかもしれません。まずは、今月もテーマに関わる出題をしますので皆さんも一緒に考えてみてください。
次の、相続や遺言に関する設問は、正しいか間違っているかを答えてください。
【設問】
ABは男二人兄弟であったが、長男Aは3年前に亡くなっており、ABの母の介護を一手に引き受けたのは母と同居をしていた長男の妻Cであった。このような事情があった場合において、母が亡くなり相続手続を行うにあたっては、CはAが相続するはずであった法定相続分の二分の一をAに代わって相続できる。
さて、設問の記述は正しいでしょうか?それとも間違っているでしょうか?
まず、(1)ABは二人兄弟ですから、既に父が亡くなっていれば、母が亡くなった際の法定相続人はABの二人となり、その相続分は各々二分の一ずつとなります。ところが、(2)母が亡くなる前に長男Aが既に亡くなっていることから、Aが相続するはずだった法定相続分はBが相続し、結果的にBがひとり占めを出来るかが問題となりますが、法は、長男Aが相続するはずだった相続分はAの直系卑属(子や孫)がいればその者たちが代わりに相続する制度(代襲相続)を定めており、Bがひとり占めすることを認めていません。もっとも、(3)この代襲相続人となれる者は、相続開始前に死亡した相続人の子や孫に限定されており、現在の法律では長男の妻などは認められておりません。本問でも、Cは長男の嫁であることから代襲相続人にはなれず、CはAが相続するはずだったAの法定相続分の二分の一をAに代わって相続することはできないと考えられます。
以上より、本問は誤りと判断できるでしょう。
【相続相談の現場から 2 ~ 相続と介護の意外な関係?! ~】
高齢化社会の進展に伴い、人生の最終章で何らかの介護を受ける方は今後ますます増え続けることと思われます。そして、本来は介護と相続は全く関係のないお話しなのですが、どちらも人生の最終章に起こる一大イベントであり、かつ関係者の頭数で人数割りすればそれで済むといった簡単な問題では済まないところが共通点です。特に、介護は推定相続人が平等に負担することがなかなか難しい、しかしながら相続は相続人の人数で単純に頭数割りでは、介護の負担を引き受けた相続人はなかなか納得しがたいといったことも十分に考えられます。介護を受ける方は自分自身が望む介護を受けるためにも、ご自身が元気なうちに介護の負担を多く引き受ける方にぜひ何らかの配慮を示していただきたいと願っています。
自分も長男の嫁の立場で介護に関わっているが、どうしたらいいか?! いますぐまちなかステーションに相談する
介護と相続の関係相続について
1 介護と相続は本来は関係のない話である
→ もっとも、どちらも人生の最終章に起こるイベント、適切な手立てが必要
介護を受ける方は、自分の望む介護を受けられるためにも、
介護に携わてくれた方への配慮を見せる事も必要ではなないか?
2 後々のトラブルを回避のため、相続と介護に精通した専門家に早めに相談を
番組出演の感想
今回のテーマは『相続相談の現場から 2 ~ 相続と介護の意外な関係?! ~』でしたが、高齢化社会の進展と氾濫する相続に関する情報によって、人生の最終章で不毛な醜い争いが今後ますます増加するのではないかと感じておりました。そこで、ひとりでも多くの方が正しい認識を持っていただくとともに、判断に迷った時には私たち法律専門職に対しても相談することの必要性についても理解していただくきっかけをご提供できたとすれば何よりであると感じました。
これからも、相続まちなかステーション 代表 加藤俊光は、身近な相続・遺言に関するテーマを題材にしながら、地域の皆様に役立つ情報をご提供できるよう頑張ってまいります。最後になりましたが、山田博康さん、そしてお聴きいただいたリスナーの皆様、ありがとうございました。