遺産分割の実態に疎い司法書士の致命的なミスが原因!せっかく遺言公正証書にしたのに相続トラブル!?
今年も、毎月恒例の相続・遺言に関する無料相談会を続けていく予定です。今年最初の無料相談会は1月26日(土)に開催させていただきました。冷え込みの厳しい土曜日にもかかわらず、ご予約いただいた皆様においでいただいたことにお礼申し上げます。
50代後半の女性と60代前半の男性が、連れだってご相談においでになりました。テーブルに着くやいなや、女性はすぐに『出来るだけお金をかけずに解決したいのですが』とおっしゃるのでした。
詳しくお話しをうかがうと、今日おいでになったお二人は姉と弟(次男)の関係なのですが、今日おいでにならなかった兄(長男)がいるとのことでした。4年前に母親が亡くなり、1周忌を過ぎた3年ほど前から相続の話をしようとしたらしいのですが、長男一家は相続財産である母親名義の土地建物に住み続けたまままったく相続の話をしようとせずにここまで来てしまったそうです。あちこちで行われている無料相談に行ってはみたものの、ある税理士には『当事者でよく話し合いをしないとだめですよ』と言われたり、また別の行政書士には『争いのある場合は私たちにはどうすることもできません』と言われたりしたこともあったようでした。そんなとき、インターネットで調べたところ『遺産分割調停を申し立てるしかないが、弁護士に頼まずに自分でやれば費用もあまりかからないのではないか』と考えたものの、どこかでやり方を教えてくれるところはないだろうかと思っていたところに、たまたまタウン誌で私の無料相談会を見つけたらしく、もしかしたらやり方だけ教えてもらえるのではと考えておいでになったとのことでした。
そこで私は、『相続問題を解決するために裁判所に判断を求めることは感心しません。なぜなら、まず第一に、2年も3年も裁判所に呼び出されることを覚悟しなければならず、時間的・精神的な負担は相当なものになるのであって、私には決して安いとは思えないからです。それから、第二に裁判所で自分の言い分を主張したとしても、自分の言い分がすべて認められるケースは実はほとんどなく、結局は大なり小なり不満が残るのが目に見えているからです。そして、第三に、裁判所に判断を求めた以上は、その判断に納得できようができまいが絶対に従わなければならなくなってしまうからです。多大な時間や費用をかけて、さらに精神的な負担も大きい割には自分の言い分はあまり通らない、そればかりか兄弟姉妹はお互いに憎しみ合って子や孫の世代まで絶縁状態になってしまうのが裁判だと思っています。それよりも、相続人全員が少しずつ不満を引き受け、まあ仕方がないと思えるような内容で納めたほうが時間的にも精神的にも負担ははるかに軽いのではないでしょうか。私でよければ、相続人の皆さん全員の間に入って、何とか裁判にすることなく円満に話し合いで解決できるような方策をご提案することができるのですが』とお答えしました。
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もっとも、『私どもも業務としてお引き受けするわけですから、相続まちなかステーションの報酬規定に基づく報酬をいただかなければなりません。また、私は専門家としての見地から、自らの知識や経験に基づき最善と思われる解決策をご提案させていただいております。だからこそ、私の方針と報酬に同意いただければ喜んでお引き受けいたしますが、どちらか一方あるいは両方とも同意できないということであれば、残念ですがご縁がなかったと理解します』とも付け加えさせていただきました。
これからも私は、ほとんどの相続問題は、裁判所に判断を求めなくとも当事者の話し合いで速やかに円満に解決できることを、ひとりでも多くの方に伝え続けていきます。