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次の世代に迷惑をかけるな! 国家も終活・老い支度の視点を取り入れてみてはいかがですか?

加藤俊光

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テーマ:ちょっとひと息つく時間【平塚|行政書士のひとりごと】

 12月最初の日曜日の朝に、中央高速道路笹子トンネルで崩落事故が発生し、巻き込まれた9名の方が亡くなる大惨事が発生しました。報道によれば現時点で分かっていることはいまのところ天井板を留めていたアンカーボルトの劣化による落下が原因とのことですが、全くあってはならない事故であり亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、負傷された方の一日も早い回復を願うばかりです。

 ところで、今回の事故は決して他人事ではなく、高速道路のトンネルに限らずに、身の回りにある様々な社会的インフラについてどうあるべきかを、ひとりひとりがよく考えなければならない時期に来ているのではないかと捉えています。

 ここで、誰もがどこかで一度くらいは見たことがある絵を見ながら考えてみることにします。





 日本は、この50年で目覚ましい発展を遂げました。新幹線をはじめ、高速道路や橋、高層ビルなどあらゆるインフラが整備されて、私たちの生活は驚異的に利便性が向上しました。
 しかし、そんな高度成長期に整備された社会的インフラが、今度は驚くほどのスピードとペースで次々と寿命を迎えつつあるのが現実ではないでしょうか。

 先ほどの絵は、医療費や年金などで若者何人でお年寄りを支えているかというテーマについてよく使われることはご存知かと思いますが、私は何も医療費や年金だけに限られず、このような社会的インフラについても言えるのではないかと考えます。

 我が国は、もう世界中のどの国も経験したことのない少子高齢化社会が始まっているのです。人口はどんどん減少し、おそらく税収だって目減りする一方ではないでしょうか。これまで、作り続けた道路や橋、その他のハコモノを一体何人の現役世代で維持・管理していけというのでしょうか。

 そんな現実に多くの人が気づいているにもかかわらず、今度の総選挙で『国土強靭化』などといってさらにバラマキを推奨するようなことを言っている政党があるのは、驚きを通り越して怒りを覚えるのは私ひとりだけでしょうか。

 本日総選挙が公示されましたが、国内に山積する問題に対しての解決はまったなしであり、もはや先送りしている余裕などありません。

 対外的に勇ましいことを言っているだけでいいのでしょうか。あるいは、公務員バッシングをして溜飲を下げればそれでいいのでしょうか。単なるムードに流されるのはもういい加減に卒業して、私たちひとりひとりがしっかり考えて賢い選択をしなければならない時期に来ています。

 昨今、終活あるいは老い支度をする方が増えています。捨てるべきものは捨てて、本当に必要なものやどうしても残したいものは残す。次の世代に迷惑をかけないようにと考えることができないはずありません。この国を滅ぼすことなく次の世代にバトンタッチするためにも、終活あるいは老い支度の視点を取り入れてみる必要があるのではないでしょうか。

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加藤俊光
専門家

加藤俊光(行政書士)

相続まちなかステーション/加藤法務行政書士事務所

単身者・子どものいない夫婦世帯が人生の最終章で直面する介護や医療、金銭管理、死後の事務手続、お墓、ペットなどの切実な問題に寄り添い解決。地元の在宅医療・介護の専門職と密接な連携が取れる体制にも自信あり

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