遺産分割・相続放棄 『ハンコ代』が適正かどうか、相場を知りたい?!
今月も無事に『相続・遺言に関する無料相談会』を終えることができました。秋の三連休の中日の土曜日にもかかわらず、ご予約いただいた皆様においでいただいたことにお礼申し上げます。
50代後半の女性がおひとりでご相談においでになりました。
詳しくお話を伺ってみると、お父様が一昨年の秋にお亡くなりになったようです。ところが、四十九日が終わるとすぐに配偶者であるお母様と長男である弟さんがそれぞれ全財産の相続権を主張し始めたそうです。対立は日増しにエスカレートし、ついにはお互い口も利かなくなってしまいました。それからは、新盆も一周忌もお母様と弟さんがそれぞれ主宰してやる有り様で、近所でも相続でもめている家として有名になってしまったそうです。
そして、この方はいつしか『もう自分たちで解決するのは無理だろう。出るところへ出てきちんと解決してもらうしかない』と考えるようになったらしいのですが、たまたま相続まちなかステーションのホームページをご覧になって、一縷の望みをもってご相談においでになったのでした。
そこで、私は『そもそも相続の問題は、当事者の話し合いで解決できることが最も望ましいことです。裁判所に調停や訴訟を利用すると平均的に3年から5年程度の年数を要することも珍しくなく、各相続人の時間的・金銭的な負担は相当なものです。また、当事者同士の感情的対立は決定的となってしまい、おそらく絶縁状態となってしまうでしょう。この世でたった三人の家族ではありませんか。皆さんで冷静な話し合いが難しいというのであれば、全員が少しずつ不満を引き受けて何とか話し合いで解決できるように、私が皆さんの間を取り持って解決できるような方策をご提案させていただきます』とお答えして面談を終了させていただきました。
最近では、相続を主要業務とする専門家がいろいろなところで相談を受け付けているようです。そして、彼らの中にはすぐに裁判所に調停の申し立てをしてしまう専門家もたくさんいます。
しかし、私は『ほとんどの相続問題は当事者の話し合いで解決することが全ての相続人に最良の結果をもたらすはずである』と確信しています。裁判所による解決は、どうしても当事者の話し合いで解決できなかった場合の最後の最後の手段にしていただきたい。私どものような、公平かつ客観的な立場の専門職が少し手を差し伸べることで、当事者の話し合いで速やかに円満に解決できる道があることを、ひとりでも多くの方に知っていただくためにこれからも決してあきらめることなく前進していきます。