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加藤俊光プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

自分らしい最期を迎えるために。いまからあなたにできること。

加藤俊光

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テーマ:遺言のすすめ【平塚|相続 遺言 相談窓口】

 ついこの間まで、少なくとも私の祖父母が亡くなった二十数年前までは、ずいぶん長いこと病院に入院した末に亡くなる方が結構いたように思えますが、これからはもう病院のベッドで亡くなることができない時代がすぐそこまで忍び寄ってきているのではないかと捉えています。





 残念ながら、この国はずいぶん前から警鐘を促されてきた少子高齢化問題について、有効な手立てを打つことができずに今日まで来てしまいました。その結果、世界のどの国も経験したことのない超高齢化社会を迎えることが確実となってしまい、全人口に占める65歳以上の高齢者の割合も2025年には3割、2055年には何と4割に達すると推定されています。当然ながら、年金や医療費などもこれまでの常識概念では到底持ちこたえられるはずなどありません。まさに私たちはこの時代を生きる者として、現実を受け止めながら同時に『覚悟』をもって自分自身の最期に責任を持つことを要求されているのではないでしょうか。

 もっとも、誤解をしていただきたくないのですが、私は病院のベッドで最期を迎えることが難しくなっている現状が、何かとてつもなく大変で恐ろしいことだとは思っていません。幸いなことに現代では在宅での看取りに真摯に取り組む医療・福祉の専門職も確実に増えています。60~70年前までの人たちは、そんなインフラがなくとも何とか自宅で看取ってきたわけですから、私たちにも必ずできると考えてもいいのではないでしょうか。

 とはいえ、これまで私たちが半ば常識だと思ってやってきた病院での『看取り』に対して、いわば対極のような方式である自宅での『看取り』をしていくためには、当然ながらそれなりの事前の準備が必要になることは避けられません。将来の肉体的・精神的な変化に備えつつ、どの場所でどんな内容のケアをどの程度まで施してほしいのか、これらを元気なうちから家族と話し合い、しかも家族の中で誰に中心になってそれらの要望を実現していってもらいたいのかを意思表示しておくことが必須になると言っても過言ではないと考えます。

 長男が一家の全ての財産と責任を引き受けるという家長制度など、とっくの昔に崩壊しています。誰が中心になって親の面倒を見ていくのか、その労力と費用は誰が中心になって負担していくのかは経済問題と感情の問題であり、人間同士におこるトラブルの二大原因にほかなりません。

 人は誰しもひとりで死ぬことはできないのです。『人生の最期をより良いもの、あるいは自分の理想的なものとするためには、家族や周囲の理解と協力が絶対に必要です。そのためにも、①判断能力が低下してきたり、認知症になったりしたらどうしてほしいのか、②自分自身の治療における内容・程度はどんなものをどこまで希望するのか、③自分自身が亡くなった後の財産配分はどのようにしてほしいのか、④葬儀や埋葬の在り方、その他必要となる事務手続きは誰にどのような形で実現してもらいたいのか、などを元気な時から話し合っておきましょう。そして、これらすべてに共通することは、費用と労力の負担は誰に中心になってやってもらいたいのかを明確にしておくとともに、それらを実現確実なものとするために客観的・公平な専門家をオブザーバー(立会人)として選定しておくことがポイントです。これこそが、まさに『覚悟』を持って自分の最期に責任を持つと言えやしないでしょうか。

 まだ早いと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、元気な時から考えるからこそ、いろいろなことに思いを巡らせてじっくりと考えることができるのです。また、元気な時ならばたとえ状況や気持ちに変化が生じてもすぐに対応できるのです。病院や施設に入ってからではとてもゆっくり考えている時間などありません。もしも、そのうち考えようと思っているなら、今日がその日かもしれません。自分に出来そうなことから、私と一緒に考えてみましょう。

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加藤俊光
専門家

加藤俊光(行政書士)

相続まちなかステーション/加藤法務行政書士事務所

単身者・子どものいない夫婦世帯が人生の最終章で直面する介護や医療、金銭管理、死後の事務手続、お墓、ペットなどの切実な問題に寄り添い解決。地元の在宅医療・介護の専門職と密接な連携が取れる体制にも自信あり

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