桜の季節に想う ~ どんな寿命にも永遠はない ~
多くの人の心がけと協力で何とか乗り切った去年の『節電の夏』を懐かしんでいる余裕はありません。今年は、夏を迎える前に原発を再稼働するかどうかで様々な思惑が見え隠れしているようです。
今後も原発を推進していきたい立場の人々や経済産業省にしてみれば、『全ての原発を停止しても、節電で夏を乗り切れたじゃないか』となってしまうことだけはどうしても避けたいらしく、あらゆるところになりふり構わぬ圧力をかけており、ついこの前までは原発の再稼働には反対の姿勢を見せていた大阪や滋賀の知事までが取り込まれている姿を見るとなんだかやるせない思いを隠せずにいます。
世界中に『フクシマ』という名を知らしめてしまったあの原発事故という現実を消し去ることは絶対にできません。そしておそらく、現実を直視することなく自らの利権や利益を優先する人がこの世の中からいなくなることもないでしょう。まさに、『過去と他人は変えられない』のです。しかし、現実から逃げることなく自らの立場で正面から向かい合うとともに、原発を推進した時はもちろん廃止した場合の両方の場合においてそれぞれのリスクや負担についてどのように受け入れるべきかを考慮しながらも自らの信念を持ち続けることができれば、きっとわかってくれる人も大勢現れるはずです。これこそが、『自分と未来は変えられる』ということにほかならないのです。賛成でも反対でも、まずは自分の頭で考えてそして自分なりに納得のできる答えを出すことが求められているのではないでしょうか。
そして、このことは何も原発の問題だけに限ったことではないと思っています。私は、相続・遺言の法律専門職として開業以来、一貫して遺言の意義や有効性についてお会いした方々にお話しし続けてきました。
しかし、なかにはこちらがいくら遺言書を書くことのメリットをお話ししても、どうしても理解していただけない方も少なからずいらっしゃいました。人間には誰にでも、何十年にもわたってその人が積み上げてきた人生観や価値観があり、その人生観や価値観を変えることは本当に難しいことであり、まさに『過去と他人は変えられない』という言葉を身をもって体験した2年間でもありました。
遺言さえあればいま急増している相続トラブルの大半を未然に防止することができるとともに、遺言書を書くことで自らが亡き後で自分の大切な家族を惑わせたり困らせたりすることもなくなる、そして自分自身の生きた証や想いを確実に伝えることができることをひとりでも多くの方にお伝えしたいという想いは絶対に間違っていない、そう確信しているからこそ私自身も遺言書を書きました。『過去と他人は変えられない! しかし自分と未来はきっと変えられる!』、小さなことかもしれませんが自分の頭で考えて自分にできることから実践しています。『遺言書を書いたほうがいいと聞くが本当だろうか』という方はもちろん『そのうち書こうとは思っているけどまだ早いんじゃないか』と思っている方こそぜひ一度弊事務所においでになってみてください。自分自身が書いたからこそできる遺言の裏話を含めて惜しみなくすべてお話しをさせていただきます。
これからも私は、遺言者の想いを理解できる相続・遺言の法律専門職としてひとりでも多くの方に相続を争続にさせないために自らの体験を踏まえた『争わないための遺言書』のご提案をし続けていきます。