自分たちで解決できないのなら、もはや公平な第三者に委ねるしかないのではありませんか?
『これで安心しました!いろいろとありがとうございました』
これは、一昨日に弊事務所から徒歩5分くらいのところにある神奈川の平塚公証役場で、遺言公正証書が完成した瞬間に遺言者の方からおっしゃっていただいた言葉です。
そもそも、この方と初めてお会いしたのは、5月に弊事務所が定期開催している『相続・遺言に関する無料相談会』でした。ご夫婦そろっておいでくださり、『私どもには子供がなく、今後のことを考えていろいろ準備をしたい』というところからお話が始まり、私はこれまでの相談事例や具体例をご紹介して、争いを未然に防ぐために公正証書遺言をおすすめしました。6月の下旬に遺言原案作成を正式にご依頼いただいて、何度となく遺言書の内容についてお打合せさせていただくために遺言者様宅をご訪問させていただきました。特に、どうしてこの遺言を書こうと思ったかという遺言者の想いとも言える『付言』については、遺言者様のお宅を訪問し、手入れの良く行き届いた素敵なお庭やリビングに飾られたスイスへのスキー旅行の写真を拝見して、私なりに遺言者の想いを精一杯散りばめることができたのではないかと自負しております。その後、公証人の先生とも綿密に打ち合わせを行い、遺言者様はすっきりとしたお気持ちで、私どもと公証役場へ赴きました。
すべての手続きが終了し、遺言公正証書の正本を私がお預かりし、副本を遺言者様が手にした際に心の底から安心されたのか、とても穏やかな優しい笑顔になって先の言葉を発せられた次第です。決して安いとは言えない報酬をいただいた上に、依頼者様から感謝の言葉まで頂戴できるとは、相続・遺言の専門家として最も嬉しい瞬間でした。そして、同時に私には遺言者様のお気持ちがとてもよく分かったのでした。
どうしてかと言うと、それは私もすでに遺言を書いているからなのです。私は、まだ42歳ですが、①人に遺言を勧めておきながら自分が書いていないのでは説得力に欠けることや、②事務所の業務やお預かりしている遺言書に対してしっかりと責任を果たすためには、信頼のできる同業者に遺贈する必要があることから、遺言書を書こうと思った次第です。私も、遺言書が出来上がった時に、『よし、これで安心だ!』と思いましたから、遺言者様のお気持ちがよく分かるのです。
私は、ひとりでも多くの方に、相続争いを未然に防ぐためには遺言書が有効だということを知っていただきたい、そして、『よし、これで安心だ!』というあの心の底から安心できる気持ちを味わっていただきたいと願っています。