合格実績の詳細 ー啓理学舎(旧学習塾ペガサス 横浜六角橋教室)
中学受験の指導をしていると、時々、「これは本人の努力だけではなく、ご家族の力が合格を引き寄せたのではないか」と感じることがあります。
今回ご紹介するのは、そんな印象に残っている一人の男の子のお話です。
※個人が特定されないよう、一部内容を変更してご紹介しています。
小学4年生から通塾。コツコツ努力するタイプの男の子
その男の子が当塾に通い始めたのは、小学4年生のときでした。
成績はコンスタントに偏差値60程度。
志望校は、難関と言われる私立の中高一貫校でした。
決して「天才肌」というタイプではありません。
真面目で、コツコツ努力する。
やるべきことをきちんと積み重ねていく、努力型のお子さんでした。
スポーツも好きな男の子でしたが、中学受験に全力を傾けるため、スポーツクラブをやめて受験勉強に集中することになりました。
お母さんにも、あるお願いをしました
お母さんは、中学受験に対する意識が高い方でした。
お子さんの成績を伸ばしたい。
志望校に合格させたい。
そうした思いを強く持っていらっしゃいました。
しかし、私はお母さんに、勉強以外のことについてもお願いをしました。
それが、
「夫婦関係」と「親子関係」
についてです。
夫婦関係については、
「お互いが尊敬できる関係になってください」
とお願いしました。
そして親子関係については、
「お子さんの良いところを見て、そこを誉めてあげてください」
とお願いしました。
このお母さんは、こちらの意図をしっかり受け止め、実行してくださいました。
国語だけが、少し苦手だった

4教科のうち、他の3教科は順調でした。
ところが、国語には少し苦手意識がありました。
漢字や知識問題については、真面目な性格もあって、しっかり勉強できていました。
問題は「読解」です。
特に選択肢問題になると、
「本文に書いてあること」と「自分自身の考え」が混ざってしまう
ことがありました。
そのため、問題作成者が仕掛けた選択肢の罠に、まんまと引っかかってしまうこともありました。
これは、中学受験の国語では非常によくあることです。
「自分はこう思う」
ということと、
「本文にはこう書いてある」
ということは、別物です。
読解問題では、まず本文に書かれていることを正確に読む必要があります。
「その答えの根拠は、本文のどこにある?」
そこで国語の授業では、繰り返し、こんな質問をしました。
「その答えの根拠は、本文のどこにある?」
正解を教えるのではありません。
「なぜ、その選択肢を選んだの?」
「本文のどこに、それを裏付ける記述がある?」
と問い続けました。
最初は、なかなか大変でした。
すぐにできるようになったわけではありません。
しかし、受験勉強を続ける中で、少しずつコツをつかめるようになっていきました。
そして、いつの間にか、
「自分の感覚で答える」のではなく、「本文を根拠にして答える」
という国語の基本が身についていったのです。
そして、第一志望校の入試当日

いよいよ第一志望校の受験が終わりました。
受験を終えたその男の子が塾にやってきました。
そして、開口一番、こう言ったのです。
「先生、国語の文章題が、塾の授業で習った文章と同じ問題が出た!」
そして、続けて、
「だから、落ち着いて国語の問題を解くことができた!」
と、嬉しそうに話してくれました。
もちろん、入試問題が塾で扱った文章と同じだったことは、本人の実力とは別の「幸運」です。
しかし、その幸運を生かせたのは、本人がそれまで一生懸命に勉強してきたからです。
そして――
見事、第一志望校に合格しました。
合格の最大の要因は何だったのか?
では、この男の子が合格できた理由は何だったのでしょうか。
私は、大きく2つあったと思っています。
一つ目は、
ご家族が塾からのお願いを受け入れ、実践してくださったこと。
二つ目は、
本人が最後まで努力を続けたこと。
この2つです。
中学受験では、どうしても「偏差値」「合格可能性」「過去問の点数」など、数字に目が向きます。
もちろん、それらも大切です。
しかし、受験は数字だけで決まるものではありません。
子どもが安心して勉強できる家庭環境。
親子の信頼関係。
夫婦がお互いを尊重する関係。
そして、本人が努力を続けられる環境。
こうしたものも、受験には大きく関わっているのではないでしょうか。
「直前に見た問題が出た」のは、本人への贈り物
今回、入試直前に塾で扱った文章が、そのまま入試に出題されました。
これは、本人が努力してきたことへの「贈り物」だったのかもしれません。
実際、受験直前に見ていた問題が入試で出題された、という話は、それほど珍しいことではありません。
もちろん、それを狙って勉強することはできません。
だからこそ、私はこう思います。
最後まで努力した人に、最後の最後で幸運が味方することがある。
そして、その幸運をしっかりつかむためには、それまでの積み重ねが必要なのです。
中学受験は「家族全員で取り組む受験」

中学受験というと、
「子どもがどれだけ勉強するか」
ということに注目されがちです。
しかし、実際には子どもだけの戦いではありません。
子どもを支えるご家族。
そして、子どもの状態を見ながら指導する塾。
それぞれが役割を果たすことで、子どもは力を発揮できます。
この男の子の場合も、ご家族の支えと本人の努力が重なったからこそ、最後に合格という結果につながったのだと思います。
もしかすると、
「家族の絆が、最後の幸運を引き寄せた」
のかもしれません。
中学受験では、成績を上げることだけが大切なのではありません。
子どもが安心して努力できる家庭をつくること。
子どもの良いところを見つけて認めてあげること。
親子が信頼し合うこと。
そして、子ども自身が最後まで努力すること。
そのすべてが、合格への力になるのだと思います。
中学受験は、子ども一人で戦うものではありません。
家族と塾が一緒になって、子どもの成長を支えていく。
私は、このご家族との経験から、そのことを改めて教えてもらいました。


