コロナ禍、「不安」は「自分のもの」と気づくことで、自分を守る力や他者と親密になる力となるのです。
医師、看護師、医療従事者、援助職は、職業倫理、仕事への動機はとても高く敬意を表します。
言うまでもなく援助職とは、専門性をつかって人間を援助する仕事です。時に、しかしながら、人間対人間の係わりにはネガティブな感情も湧き起こることは自然な流れです。
現在、コロナ禍において、援助職に従事される方における「心的負担」は処理し難い「質」と一人で抱え込みきれない「量」に達していると感じています。
通常の状態であっても、対人援助職の従事者には、定期的で専門的なメンタルケアの実施が必要不可欠なのものですが、長きにわたるパンデミックでは、その、実施の時間をも割いて、仕事に取り組んでおられるのが実情です。
ご本人らの、訴え、症状としては、「だるい」「気持ちが沈んでいる」「やってもやっても報われず、仕事の意義に混乱している」「眠れない」「食欲がない」「怒りっぽくなっている」などなどの心身相関な課題が語られています。
そして、重要な点として、それらの不調が、援助職の方のご家族に、じんわりとながく支障を与えることです。
「夫婦関係でケンカが耐えない」「アルコールが増えてしまっている」「子どもが学校を休みがち」など、気がつかないうちに家族の複数に症状が発生することもあります。
私たち心理の専門家は、これら家族内の症状行動を、「悪いもの」とはとらえずに、「家族が成長するための流れ」と読み取り、アプローチをしていきます。
医療従事者の方にとって、「メンタルケア」「カウンセリング」とは、(病気なのではないから大丈夫)と、なじみが無いかもしれないのですが、
自身のお気持ちをケアすることは、家族に安心を与えることにつながります。
お一人で抱え込まないで。