数字を見せても伝わらない会社、伝わる会社の差-小さな会社が整えたい3つの視点

平岡誠司

平岡誠司

テーマ:経営のモヤモヤをワクワクに(おかね編)


試算表は出している。
数字も説明している。
それでも、なぜか相手の反応が鈍い。

そんな悩みを抱える経営者の方は少なくありません。

銀行との面談。
家族との話し合い。
税理士との打ち合わせ。

経営者には、数字を言葉にして伝える場面が何度もあります。

会社経営では、数字を使って話す場面がたくさんあります。ですが、数字を見せるだけで相手に伝わるとは限りません。なぜなら、数字は結果であり、相手が知りたいのは、その背景とこれからだからです。今回は、数字を見せても伝わらない会社と、自然と伝わる会社の違いについて、小さな会社の現場目線でお話しします。


数字そのものより「意味」が知りたい

たとえば、

・売上 1,000万円
・利益 50万円
・借入残高 2,000万円

こうした数字だけを並べても、相手には判断しづらいことがあります。なぜなら、

・前年より良いのか悪いのか
・一時的なものか継続的なものか
・今後改善する見込みがあるのか

が分からないからです。数字は大切です。ですが、数字だけでは会社の実態は伝わりきりません。

1 増えた・減った理由を話せるか

伝わる会社は、数字の変化に理由があります。

たとえば、

・売上減少は得意先の在庫調整によるもの
・人件費増加は採用強化のため
・利益減少は設備更新の先行投資

こうした説明があるだけで、数字の見え方は大きく変わります。

逆に、

「なぜ減ったのか分からない」
「なんとなく忙しかった」

この状態では、相手も不安になります。

2 今後どうするかが見えているか

過去の説明だけでは十分ではありません。

伝わる会社は、その先も話せます。

・来月から新規取引が始まる
・値上げ交渉を進めている
・不採算商品を見直している
・支払い条件を調整中

完璧な計画でなくても構いません。今後に向けて動いていることが伝わると、相手は安心しやすくなります。

3 社長自身が把握しているか

資料を経理担当者や税理士が作ること自体は問題ありません。ですが、社長自身が状況を把握していないと、伝わりにくくなります。

・今いくら資金があるのか
・今月の山場はいつか
・何に困っているのか
・何を優先したいのか

このあたりを社長が自分の言葉で話せる会社は、強いです。

どこまで話すかは、ひとりで抱えなくて大丈夫です

ここで悩まれる方も多いです。

「正直に話した方がいいのか」
「細かく伝えすぎると不利にならないか」
「どこまで説明すれば十分なのか」

実際には、会社の状況、資金繰り、取引先との関係、銀行との付き合い方によって、答えは変わります。そのため、何でもかんでも話せば良いわけでもなく、逆に何も話さなければ伝わりません。大切なのは、適切に整理して伝えることです。

ひとりで悩むより、

・自社の状況をよく知っている人
・銀行との取引経緯を理解している人
・数字と現場の両方を見られる人

そうした伴走者と相談しながら決める方が、落ち着いて判断しやすくなります。経営者には、考える相手が必要な場面があります。

最後に

数字を見せても伝わらない会社と、伝わる会社。その差は、数字の多さではありません。

・理由が話せる
・先が話せる
・社長が把握している
・伝え方を一人で抱え込まない

この積み重ねです。小さな会社ほど、社長の言葉が会社の信用になります。数字が苦手でも大丈夫です。まずは、数字の意味を自分の言葉で話すところから始めてみてください。

「相談するほどでもないかも」
そう感じる段階での整理こそ、有効なことがあります。

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平岡誠司
専門家

平岡誠司(小規模事業者向け経営支援家)

株式会社平岡商店

経営者の実践経験を活かし、経理の見える化・日繰り・在庫管理を軸に、家族経営の経営管理の仕組みづくりを実行支援します。現場の気づきを経営判断につなげ、“らしさ”をいかした経営を一緒に育てていきます。

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