「もう限界」と泣いた女性経営者の伴走支援 —会計freeeで再建した創業期の福祉事業、2年間の軌跡—

「銀行に相談したい。でも、数字の説明となると急に不安になる」
そんな声を、小さな会社や家族経営の方からよく伺います。売上は少し戻ってきた。現場も頑張っている。けれど、数字で説明しようとすると言葉に詰まってしまう。決算書を見ても難しい。何を、どこまで、どう話せばいいのか分からない。実はこれは、珍しいことではありません。忙しい日々の中で現場を回しながら、会計資料まで読み込み、金融機関向けに整理して話す。小さな会社ほど、その負担は大きくなります。今回は、そんな方に向けて、数字が苦手でも銀行に伝わる説明のコツをお話しします。
目次
銀行は「数字だけ」を見ているわけではありません
銀行は決算書や試算表を確認します。それは当然、大切な資料です。ですが、それだけで判断しているわけではありません。たとえば、
* なぜ売上が増えたのか
* なぜ利益が一時的に減ったのか
* 今後どう改善していくのか
* 社長が現状をどこまで把握しているか
こうした数字の背景も見ています。数字は結果です。経営には、その結果に至るまでの理由があります。銀行が知りたいのは、会社の中で何が起きているのか。そして、この先どうなっていくのかです。
決算書だけでは伝わらないことがあります
たとえば利益が減っていても、
* 新店舗準備の先行投資だった
* 採用強化で人件費が増えた
* 設備更新を行った
* 一時的な原価高騰だった
という事情なら、見え方は変わります。逆に、数字が良く見えても、
* 値引き販売を続けている
* 支払いを先送りしている
* 在庫が増えすぎている
という状態なら、注意が必要かもしれません。数字は大切です。ただし、数字だけでは実態が見えないこともあるのです。
銀行担当者も、社内で説明しています
ここは意外と見落とされがちな点です。窓口の担当者が、その場で融資を決めるわけではありません。担当者は会社へ戻り、
* 上司
* 審査部門
* 保証協会など
へ説明し、社内で手続きを進めます。つまり担当者は、あなたの会社を社内で紹介してくれる人でもあります。だからこそ、
* 状況が分かりやすい
* 話に筋が通っている
* 今後の見通しがある
この3つが伝わると、話は進みやすくなります。
難しい会計用語は必要ありません
銀行説明というと、「専門的に話さないといけない」と思われる方もいらっしゃいます。ですが、本当に大切なのはそこではありません。たとえば、
* 売上は前年より回復しています
* 人を採用したので人件費が増えました
* 来月から新しい取引が始まります
* 夏まで資金に余裕を持たせたいです
こうした現場の言葉で十分伝わります。難しい言葉より、分かりやすい言葉の方が相手には届きます。
まず整理したい3つのこと
銀行へ相談する前に、次の3点だけ整理してみてください。
① 今、お金はいくらあるか
預金残高、現金残高、支払予定を確認します。
② なぜ今こうなっているのか
売上、利益、支出の変化理由を整理します。
③ この先どうしたいか
設備投資、仕入強化、運転資金の確保など、目的を明確にします。
この3点が話せれば、会話はかなり前に進みます。
完璧な資料でなくても大丈夫です
「資料が全部そろってから相談しよう」そう考えて動けなくなる方も少なくありません。ですが、現実には早めの相談の方が良いケースも多くあります。数字がまだ粗くても、
* 現状を把握しようとしている
* 改善策を考えている
* 相談しながら整えていきたい
この姿勢はしっかり伝わります。
伝える力も、経営力です
現場で頑張る力。
売上をつくる力。
人をまとめる力。
それに加えて、会社の状況をきちんと伝える力も、大切な経営力のひとつです。数字が苦手でも問題ありません。完璧でなくても大丈夫です。大切なのは、現状を見つめ、自分の言葉で伝えようとすることです。それだけで、銀行との会話は少しずつ変わります。会社への見られ方も、きっと変わっていきます。


