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中小企業におけるサーキュラーエコノミーへの対応

伊藤惠悦

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テーマ:法人税

近年、中小企業においてサーキュラーエコノミー(循環社会)への対応の重要性が高まっています。
「中小企業白書2025年版」ではアンケート調査に基づいて中小企業におけるサーキュラーエコノミーの実現に向けた取組や課題について整理しています。

まず、サーキュラーエコノミーの認知・取組状況をみると、「概念を認知しており、実際に取り組んでいる」と回答した割合は、全体で6.5%となっています。「中規模企業」と「小規模事業者」で比較すると、「中規模企業」の方がサーキュラーエコノミーへの認知・取組が進んでいることがわかります。次に上記の質問で「概念を認知しており、実際に取り組んでいる」と回答した事業者における、サーキュラーエコノミーの実現に向けた取組内容について回答割合の高い順に見ると、「産業廃棄物削減・リサイクル推進(61.0%)」、「再生材や環境配慮型素材の積極利用(41.1%)」の順となっています。

次に、サーキュラーエコノミーの実現に向けた取組を通して期待する効果について見ると、「特にない・分からない」の回答割合が56.1%と最も高く、サーキュラーエコノミーの効果に対する認識が十分に浸透していないことがわかります。一方、期待する効果について回答割合の高い順にみると、「顧客満足度の向上(16.5%)」、「コストの削減(16.1%)」、などの回答割合が比較的高くなっています。

サーキュラーエコノミーの実現に向けた取組を進めるに当たっての問題点について回答割合の高い順に見ると、「コストに見合った収益を上げられない(20.5%)」、「具体的な効果や成果が見えない(19.2%)」、「何から取り組めばよいか分からない(17.3%)」の順となっています。

では、中小企業においては具体的にどのようにサーキュラーエコノミー実現に向けた取組が行われているのでしょうか。そこで中小企業庁編「中小企業白書2025年版」において、古木と古民家を活用した新規事業でサーキュラーエコノミー実現に取り組む企業の事例として紹介された株式会社山翠舎(本社所在地:長野県長野市)の取組についてみていきましょう。

株式会社山翠舎は、建具店として1930年に創業し、住宅や店舗などの一般建築を行う企業です。現社長は、建築現場で古い建物等が解体され、そこで使われていた良質な木材が捨てられていくことに問題意識を抱いていました。
同社では業界に先駆けて輸入古木を用いた内装施工を手掛けており、古木に関するノウハウや施工技術が蓄積していました。そこで現社長は、古民家解体の際に生じる古木の買取り・販売を行う事業を2006年に開始しました。既存の一般建築事業にて設計部門を強化していたことが奏功し、単に古木を販売するだけでなく、古木を使った設計から施工まで一貫した提案により受注を獲得できるようになりました。2009年には古木を活用した店舗デザイン事業も立ち上げ、古木をいかした空間のブランディングを強化しました。2013年には古民家の移築再生事業も始めるなど事業領域を徐々に拡大しています。
同社の取組は古木の循環を通じて環境負荷軽減につながるサーキュラーエコノミー実現と、古民家の利活用による空き家減少・地域活性化という社会問題解決にもつながることで注目度が上昇しています。

このように、既存事業の延長線上でサーキュラーエコノミーに取り組むことで、自社の競争力強化につなげることが可能となるのです。

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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伊藤惠悦(税理士)

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