次世代小売りのレジを支えるRFID技術とは

最近、小売業界ではセルフレジの導入が広まっています。店にとってはレジ打ちの人件費削減に繋がりメリットがもたらされています。ただ、課題は多く、なかでも清算時の操作ミスや万引き（商品のいくつかをバーコードの読み込みをせずに清算してしまう）が店にとって悩みの種となっています。海外では清算時の万引きが多いのでセルフレジを廃止する店も出てきています。日本では、万引きとまでは行かなくても、顧客がバーコードで商品を読み取る操作が不慣れなために悪意なく、うっかり精算ミスをしてしまうケースが生じており、対応に苦労する店が少なくありません。

こうしたセルフレジの課題を解決する技術として、今、無線自動識別（RFID）に注目が集まっています。すでにユニクロやGUなどで導入がなされています。ユニクロのRFIDレジでは、所定の場所に商品やカゴを置くと、レジ自身が自動でRFIDタグを検出します。即座に金額が表示され、その場ですぐに会計ができるというものです。バーコードを読み込む作業が不要なのでうっかり清算ミスが防げます。

RFIDとは、電波（無線）を使ってモノに貼られたICタグ（RFタグ）の情報を読み取る技術を指します。バーコードと違い、非接触で読み書きする自動認識技術です。タグはICチップとアンテナで構成されており、このタグを商品に埋め込んだり、貼り付けたりします。バーコードとの大きな違いは、複数タグの一括読み取りが可能な点にあります。読み取りの機械はタグに書き込まれた商品の価格などの情報を一瞬で読み取ります。結果、バーコードのように商品一つひとつに読み取り器機を当てなくても即座に会計できるわけです。

ただ、導入や運用のコストがバーコードに比べると高く、商品点数の多いスーパーなどでは導入が困難になっています。その中、出版や医療医薬業界における物流管理などで用いられるようになり、少しずつ実用化が進んでいます。

最近、小売業界ではセルフレジの導入が広まっていますが、清算時の操作ミスや万引き（商品のいくつかをバーコードの読み込みをせずに清算してしまう）が店にとって悩みの種となっています。セルフレジの課題を解決する技術として、ユニクロやGUなどで導入している、無線自動識別（RFID）に注目が集まっています。バーコードを読み込む作業が不要なので清算時の操作ミスや万引きが防げます。

ただ、RFIDは導入や運用のコストがバーコードに比べると高く導入が難しい店もあります。その中、米国の小売業界でRFIDの実用事例が増えています。ファストファッションのザラ、H&Mの旗艦店など、アパレル業界をはじめ、ウォルマートなど、導入を進める企業が増えています。

日本では、医療医薬業界で物流管理を効率化するためのサービスが開始されました。RFIDはレジ・清算の効率化だけでなく、在庫管理などでも効率化に貢献します。在庫管理や発注漏れ、使用期限の管理など、正確性をもとめられる医療医薬分野で、一括読み取りができるRFIDは、正確性と効率化の両方を実現するソリューションとして期待されています。

ほか、出版業界でもRFID技術の活用が期待されています。出版社の中には、商社と協業し、書店の在庫をRFIDタグで管理できるサービスを始めたところもあります。製本工場において、出版物にシールやしおり型のRFIDタグを取り付けることで管理します。結果、書店は専用のリーダーを棚にかざすだけで店内の在庫を把握でき、棚卸し作業の時間は従来よりも大幅に短縮できるというものです。

また、メーカーの工場などでは、従業員カードにRFIDタグを取り付けることで、災害時、従業員の安否確認ができる取り組みを始めたところもあります。今後、小売業だけにとどまらず、様々な分野でRFIDの活用が期待されています。（了）

（記事提供者：（株）日本ビジネスプラン）