Mybestpro Members

伊藤惠悦プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

AI時代を生き抜く 理解・知識・環境の三本柱

伊藤惠悦

伊藤惠悦

テーマ:その他

◆広がる「シャドーAI」
最近よく耳にする「シャドーAI」という言葉をご存じでしょうか。これは、会社の正式な承認を得ないまま従業員がAIツールを使ってしまうことを指します。調査によれば、従業員の7割以上が生成AIを使い、禁止されても半数近くは「それでも使う」と答えているそうです。便利さに惹かれ、「とにかく試してみたい」という気持ちが先に立ってしまうのは理解できるところです。

◆見過ごせないリスク
しかし、その裏には見過ごせないリスクも潜んでいます。実際に大手企業では、エンジニアが対話型AIに機密コードを入力し、外部に流出してしまった事例も報告されています。また、生成AIの誤情報に振り回されれば、判断を誤る危険もあります。ちょっとした油断が大きな損失につながるかもしれないのです。

◆背景にある2つの要因
このような状況の背景には2つの要因があります。ひとつは、経営層を含め企業全体のAIに対する理解不足。日本のAI利用率は世界平均を大きく下回っており、経営陣の慎重な姿勢と現場のニーズの間にギャップがあります。もうひとつは従業員側の知識不足です。「機密情報を入力しない」「結果を鵜呑みにせず確認する」といった基本的なルールが徹底されていません。特にデジタルに慣れた若い世代には、明確な指針や教育の機会を与えることが欠かせません。

◆解決のカギは「安全な環境」
そして、解決のカギは「安全な環境を用意すること」にあります。
ChatGPT EnterpriseやMicrosoft 365 Copilotなど法人向けAIは、学習にデータを使わず、高度なセキュリティ機能を備えています。こうしたツールを企業が導入し「安心して使える場」を整えることで、未承認での利用は自然と減り、生産性向上の正式な手段へと変わっていくでしょう。

◆AIは経営のパートナーへ
リスクを恐れて利用を避けるのではなく、企業理解・教育・環境整備を通じて活用を正しい軌道に乗せることが重要です。AIは一過性の流行ではなく、今後の経営を支える戦略的パートナーとなり得ます。企業が主体的にその関係を築けるかどうかが、競争優位を左右するでしょう。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

伊藤惠悦
専門家

伊藤惠悦(税理士)

伊藤輝代税理士事務所

半世紀の実績と信頼を礎に、現代の税理士に要求される様々なサービスを法人・個人問わず提供します。顧客のニーズを聞きとり、先を見据えた対策を提案。各分野の専門家と提携し総合的なサポートを展開します。

伊藤惠悦プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

お客様との対話を大切にする税務のプロ

伊藤惠悦プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼