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査察告発での〝有罪率〟100%

伊藤惠悦

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テーマ:その他

国税庁はこのほど、2024年度の「査察」「訴訟」「再調査」の概要を公表しました。査察による告発事案の〝有罪率〟が100%である一方、納税者側の〝勝率〟は「訴訟」で4.8%、「再審査」では5.2%にとどまりました。

国税局査察部、通称「マルサ」は2024年度に着手した調査151件のうち、98件(65.3%)を告発しました。告発事案の脱税総額は82億3千万円、1件当たりの脱税額は8400万円。
着手件数はコロナ禍の影響を強く受けた20年度から3年連続で増えていましたが、24年度には前年度の154件から3件減少。新型コロナの影響が比較的少なかった19年度、コロナ禍後の23年度、24年度はいずれも150件強で、近年の平均的な数字といえます。

消費税事案では、インターネットなどで購入した安価な腕時計を用意したうえで、高価な腕時計を購入したとする領収証や輸出関係書類を作成し、架空の課税仕入れと架空の輸出免税売上を計上して不正に消費税の還付受け取りを図った事例がありました。また、不動産賃貸業を営むグループ法人7社で、居住用賃貸建物の取得にかかる仕入税額控除を過大に計上するため、架空の金地金取引で課税売上割合を偽装して不正に消費税の還付を受けようとしたケースも報告されています。

国際事案では、コロナ禍にワクチン接種用のシリンジ(注射器筒)などを輸入販売したうえで、海外からの商品仕入高を水増し計上する方法で法人税を免れていた事業者のケースなどがありました。

査察事案で年度中に下された一審判決は99件。そのすべてが有罪判決で、〝有罪率〟は例年通り100%となりました。このうち13人に実刑判決が言い渡されています。

<情報提供:エヌピー通信社>

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