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相続人にとって〝負動産〟となってしまっている不要な土地を国に引き渡すことができる「相続土地国庫帰属制度」が2023年4月にスタートしましたが、今年7月末までに国有化されたケースは667件にとどまっていることが法務省の集計で分かりました。制度開始から今年7月末までの申請件数は2481件で、地目別では田・畑が930件、宅地が889件、山林が391件、その他が271件。このうち国庫への帰属が承認されたのは667件で、その内訳は宅地が272件、農用地が203件、森林が20件、その他が172件でした。
申請が却下されたのは11件。その理由としては9件が「現に通路の用に供されている土地(施行令第2条第1号)」、2件が「境界が明らかでない土地(法第2条第3項第5号)」に該当したためだそうです。申請が不承認となったケースは30件でした。「土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地(法第5条第1項第2号)」(12件)、「国による追加の整備が必要な森林(施行令第4条第3項第3号)」(10件)などに該当したことが理由です。
相続土地国庫帰属制度では、国による審査を経て承認が得られれば、所有者が10年分の管理費用として原則20万円の負担金を納め、相続した土地を国庫に引き渡すことができます。ただし、土地に建物が残っていたり、抵当権や賃借権が設定されていたりすると申請しても却下されます。このため審査の途中で承認の見込みがないと判断し、申請者が取り下げたケースも333件ありました。
制度開始から約1年後にあたる今年3月末時点での申請件数は1905件で、国庫への帰属が認められたのは248件。却下は6件、不承認は12件、取下げは212件でした。
<情報提供:エヌピー通信社>