白色申告の7割が記帳不備発覚
所得税法上、交通事故などにより、被害者が損害賠償金や治療費、慰謝料などを受け取った場合、これらの損害賠償金等は、原則、非課税となります。
ただし、これらの損害賠償金のうちに、その被害者の各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を補てんするための金額が含まれている場合には、その補てんされた金額に相当する部分については、各種所得の収入金額とされます。
上記、非課税となる賠償金等とは、心身に加えられた損害について支払を受ける慰謝料や、事故による負傷について受ける治療費、負傷して働けないことによる収益補償の損害賠償金などをいいます。
ただし、治療費として受け取った金額は、医療費を補てんする金額であるため、医療費控除を受ける場合は、支払った医療費の金額から差し引くことになりますが、補てん後、なお余りがあっても他の医療費から差し引くことはできません。
また、不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害賠償金で、その損害を受けた資産が事業用の資産の場合には注意が必要です。
例えば、商品の配送中の事故により、使用できなくなった商品・棚卸資産の損害に対する損害賠償金などは事業所得の収入金額となります。
車両が店舗に飛び込んで損害を受けた場合で、その店舗の補修期間中に仮店舗を賃借するときの賃借料の補償として損害賠償金などを受け取った場合には、必要経費に算入される金額を補てんするためのものであり、非課税とはならず、事業所得の収入金額となります。
また、事故により事業用の車両を廃車とする場合で、その車両の損害について損害賠償金などを受け取った場合は非課税となりますが、車両について資産損失の金額を計算する場合は、損失額から損害賠償金などによって補てんされる部分の金額を差し引いて計算します。
非課税となる賠償金等は、その他、心身または資産に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金が該当し、非課税となる見舞金は、社会通念上それにふさわしい金額のものに限られます。
なお、収入金額に代わる性質を持つものや、役務の対価となる性質を持つものは、非課税所得から除かれますので、該当されます方はご確認ください。
(注意)
上記の記載内容は、令和6年7月8日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。