2016事務年度の富裕層に対する調査事績を公表!
不動産賃貸業を営むビルのオーナーが、テナントで使用する電気料金を一括して電力会社に支払い、賃料とは別に電気料金を各テナントに毎月請求し、その金額を受領している場合の消費税の取扱いはどうなるのか疑問になるところです。
上記について、消費税法上では、テナントから賃料とは別に受領している電気料金等は、消費税法基本通達(10-1-14)において規定しております。
それによりますと、「建物等の資産の貸付けに際し賃貸人がその賃借人から収受する電気、ガス、水道料等の実費に相当するいわゆる共益費は、建物等の資産の貸付けに係る対価に含まれる」とされております。
そのため、オーナーがテナントから受領した電気料金は課税売上に該当しますが、請求する電気料金の算出の仕方等で課税の取扱いが異なる場合があります。
例えば、各テナントへの請求金額が、テナントごとに区分された電気メーターの検針結果をもとに算出された金額で、オーナーが電力会社に支払うべき金額を単に預かっているに過ぎない場合は、各テナントから受領した電気料金を、預り金処理を条件に、消費税の対象外とすることが認められます。
一方で、毎月の電気料金を定額としている場合や、電力使用量に応じた金額に手数料等を上乗せして請求している場合には、消費税の課税対象になります。
このように、電気料金を実費精算しているのか、経理処理をどのようにしているのかによって、課税関係が異なりますので、該当されます方はご確認ください。
なお、テナントビルのオーナーが簡易課税制度の適用受けている場合には、賃料収入の事業区分は第六種事業に該当しますが、賃料とは別に請求し、受領している電気料金が課税対象になる場合、その電気料金の事業区分は第六種事業には該当しません。
上記の事業区分は、オーナーが電力会社から購入した電気を品質や形状を変更しないまま、事業者であるテナントに売っているものと認められますので、第一種事業に該当すると考えられます。
不動産業賃貸業に付随する取引は、すべて第六種事業に該当するわけではありませんので、事業区分の判断は慎重に行ってください。
(注意)
上記の記載内容は、令和6年5月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。