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顧客の保険料を外貨に換えて運用する「外貨建て一時払い保険」で、約6割が購入後4年以内に途中解約されていることが、金融庁の調査で分かりました。販売した金融機関が解約後に同じ商品を顧客に売って二重に販売手数料を得るケースが多発していて、金融庁は生命保険会社や銀行などに販売手法の見直しを求めています。
外貨建て保険は、顧客の支払った保険料を米ドルやユーロなどの外貨に換えて運用します。通常の円建て生命保険と同様、死亡時などに保険金が支払われますが、資産運用商品として購入する人が多数となっています。
特に2022年以降、海外の金利上昇を受けて外貨建て保険の利回りも上昇し、4%を超える商品も出るなど人気が高まりました。銀行窓口での販売額は22年度上半期で1.2兆円と21年度下期の1.7倍に増加。一方で、為替の動向などによって元本割れに陥るリスクもあります。
金融庁が4月に発表した調査結果によると、代表的な外貨建て保険8商品の運用継続期間は平均2.5年で、購入後4年以内に約6割が解約されていました。商品の多くは、含み益があらかじめ設定した目標に到達すると、自動的に利回りの低い円建て運用に切り替わる仕組みでした。
目標を引き上げれば解約しないで済むにもかかわらず、金融機関が十分に説明をせず途中解約させ、同じ商品を販売していたケースが多数ありました。解約時には高額な手数料がかかり、実際に受け取る顧客の利益は減少します。
保険を組成した保険会社から、商品を販売する銀行などに支払われる販売手数料は初年度が高く設定されます。このことも新規契約を重視する風土を助長したとみられます。金融庁は「顧客にとって経済合理性がない。商品販売後の顧客への丁寧な対応が欠けている」と問題視しました。
<情報提供:エヌピー通信社>