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国税庁:2022事務年度における所得税の調査状況を公表

伊藤惠悦

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テーマ:所得税

国税庁は、2022事務年度(2022年7月から2023年6月までの1年間)における所得税の調査状況を公表しました。
それによりますと、2022事務年度の所得税調査は、前事務年度に比べ6.3%増の約63万8千件行い、そのうち、約53%に当たる33万8千件(前事務年度31万7千件)から9,041億円の申告漏れ所得を見つけ、その追徴税額は1,368億円となり、1件平均142万円(同120万円)の申告漏れに対し、21万円(同18万円)を追徴しました。

実地調査における特別調査・一般調査(高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に行う深度ある調査)は、前事務年度に比べ48.5%増の3万6千件を実施し、そのうち約87%に当たる3万1千件から総額5,204億円の申告漏れ所得を見つけ、980億円を追徴しました。

また、実地調査に含まれる着眼調査(資料情報や事業実態の解明を通じて行う短期間の調査)は、前事務年度比43.8%増の1万1千件行われ、そのうち7千件から390億円の申告漏れを見つけ、35億円を追徴し、1件当たりの平均申告漏れは369万円となりました。

なお、簡易な接触は、59万2千件行われ、そのうち30万件から3,448億円の申告漏れを見つけ、353億円を追徴し、1件当たりの平均申告漏れは58万円となりました。
実地調査全体では、前事務年度比47.4%増の4万6千件の調査を行い、そのうち3万8千件から5,594億円の申告漏れを見つけ、1,015億円を追徴しました。
実地調査件数は全体の7.3%ですが、申告漏れ所得全体の61.9%を把握しており、高額・悪質な事案を優先して深度ある調査を的確に実施する一方、短期間で申告漏れ所得等の把握を行う効率的・効果的な所得税調査を、国税庁は実施しております。

新型コロナ感染症の影響による制限が緩和されて調査件数が増加した中で、高額・悪質な不正計算が見込まれる事案を優先して調査した結果、総額1,368億円を追徴し、これは過去最高額となりました。
なお、業種別1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な業種をみてみますと、「経営コンサルタント」(3,367万円)が昨年に引き続いて最多、次いで「くず金卸売業」(2,483万円)、「ブリーダー」(2,075万円)と続きました。

(注意)
上記の記載内容は、令和6年1月12日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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伊藤惠悦(税理士)

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