配偶者のみ相続の場合の税負担額
相続の手続きはいろいろと大変です。相続人を確定させるためには、亡くなった人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本をそろえる必要があります。具体的には、まずは死亡した時の本籍地で最新の戸籍謄本を取り、その情報を基にひとつ前の戸籍謄本を取ります。またそれを基にひとつ前の戸籍を取り、これを繰り返して、出生までさかのぼるというわけです。遠方であれば郵便で取り寄せる手間もかかり、非常に面倒くさいのが実態です。
2017年にスタートした「法定相続情報証明制度」は、相続手続にかかる手間を大幅に軽減できるものです。しかし、それでも最初に証明書を作るために、出生から死亡までの戸籍謄本をひと揃い集めなければならない点に変わりはありません。
この一連の煩雑な手続きを劇的にラクにしてくれそうなのが、3月1日にスタートする「広域交付制度」です。同制度は、全国どこの本籍地の戸籍謄本であっても、出生から死亡までの戸籍謄本一式が最寄りの役所窓口だけで一括で請求できるというもの。これにより、謄本を順にたどってそれぞれの本籍地の役所に手続きを行って……という、これまでかかっていた手間や時間を、大幅に減らすことが可能となります。
同制度の注意点は、申請を行えるのは配偶者や親、子といった相続人本人のみであることです。税理士や弁護士といった専門家による代行はできない点に注意が必要です。
<情報提供:エヌピー通信社>