税金滞納、その後は?
国税の猶予制度とは、金銭で一時に納税をすることにより、事業の継続や生活が困難となる場合や、災害で財産を損失した場合など、納税が難しい場合や特定の事情があるときは、所轄税務署に申請することで、最大1年間、納税が猶予される制度をいいます。
なお、猶予制度には、換価の猶予と納税の猶予があり、納税方法は、猶予の種類により、1年間据え置かれる場合や、猶予期間中に分割納付をする場合があります。
換価の猶予は、下記を満たす場合には、納付すべき国税の納期限から6ヵ月以内に申請することで、受けられる可能性があり、担保の提供が明らかに可能な場合を除いて、原則、担保は不要となります。
①国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められること
②納税について誠実な意思を有すると認められること
③猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと
また、すでに滞納がある場合や、滞納となってから6月を超える場合であっても、税務署長の職権による換価の猶予の適用を受けられる場合もあります。
上記の猶予が認められますと、原則として1年間納税が猶予され、猶予期間中の延滞税が軽減又は免除、財産の差押えや換価(売却)が猶予されるなどの効果があります。
また、個別の事情に該当する場合は、それぞれの金額について、納税の猶予が認められることもあります。
例えば、新型コロナウイルス感染症の患者が発生した施設で消毒作業が行われたことにより、備品や棚卸資産を廃棄した場合、それらの再調達価額等に相当する金額や、納税者本人又は生計を同じにする家族が病気にかかった場合、医療費や治療等に付随する費用に相当する金額などの納税の猶予が認められます。
さらに、納税者が営む事業について、やむを得ず休廃業をした場合に休廃業に関して生じた損失や費用に相当する金額や、納税者が営む事業について、利益の減少等により、著しい損失を受けた場合に受けた損失額に相当する金額などの納税の猶予が認められます。
納税の猶予が認められますと、上記の換価の猶予と同様に、原則として1年間納税が猶予され、猶予期間中の延滞税が軽減又は免除、財産の差押えや換価(売却)が猶予されるなどの効果があります。
(注意)
上記の記載内容は、令和5年9月8日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。