個人住民税における合計所得金額に係る規定を整備へ
国税庁が電子帳簿保存法に関する改正通達やQ&Aを公表し、法律で定められた保存要件を満たさなくてもよい「相当の理由」について解説しました。資金繰り難や人手不足による未対応を理由として認める一方で、新法に対応できる設備が伴っているにもかかわらず「経営者のポリシー」などによって対応しないようなケースは認めないとしました。
改正電帳法では、電子データで受け取った税務関係書類を紙に印刷して保存しておくことが税務上では認められず、電子データのままシステム上で保存しなければなりません。また保存に当たっても、検索性などの要件を満たす必要があります。しかし2023年度税制改正には、「相当の理由」があれば保存要件を満たさなくても法律違反とみなさない特例が盛り込まれました。税制改正大綱などではあくまでも「相当の理由があるとき」としか述べられていなかったため、具体的な内容について注目が集まっていました。
このほど国税庁が公表した改正通達やQ&Aによれば、電帳法の保管要件を満たさなくてもよいとされる「相当の理由」とは、「事業者の実情に応じて判断するものであるが、例えば、システム等や社内でのワークフローの整備が間に合わない場合等がこれに該当する」とのことです。さらにシステム整備が間に合わない理由としては、「資金繰りや人手不足等」も認められます。この猶予措置を適用するに当たって税務署への事前申請などの手続きは必要ありません。
一方で「相当の理由」として認められないケースとしては、「システム等や社内のワークフローの整備が整っており、満たすべき要件に従って保存できるにもかかわらず、資金繰りや人手不足等の理由がなく保存していない場合」が挙げられています。例えば「経営者のポリシー」というような漠然とした理由では認められないということです。またシステムの未対応といった事情が解消された後には、猶予は認められず保存要件を満たす必要があるそうです。同様に、社内のシステム更改に伴い要件を満たせなくなった場合や、書類の保管スペースの問題で出力書面を廃棄してしまったような場合も「相当の理由」には含まれません。
<情報提供:エヌピー通信社>