一部の国家資格や免許を順次デジタル化
Phoneなどで知られる米アップルは新商品、ゴーグル型ヘッドマウントディスプレー「Vision Pro」を発表しました。ゴーグルを装着すると、自分が見ている風景の中に、巨大なスクリーンが現れ、ゲームや動画、メールなどのアプリが表示されます。選びたいものを見つめるだけで起動でき、操作できるというものです。
自分の部屋はもとより、電車や飛行機など、移動のための座席さえもパーソナルシアターに変えることができます。また、仕事では、装着した人同士は、実物大でのリモート会議や資料の共有が可能になります。また、目の前に大きな画面が現れるので、机やPCモニターがなくても仕事ができるようにもなります。これは、オフィスの家賃削減につながります。
ただ、これまで、ヘッドマウントディスプレーのような、AR(Augmented Reality:拡張現実)、VR(Virtual Reality:仮想現実)製品は「スマホの次」といわれながらも普及しませんでした。というのも、船酔いのような症状が出る、重いので疲れるなど、使い勝手に関する課題がありました。
アップルが発表した新商品では課題が大幅に改善されており、市場に大きな変化が訪れると期待されています。最大の問題であった船酔いについては、製品発表の場で、アップルは軽減されたことを強調しています。実際に使用した人たちからは船酔いや重さ、疲れについて、「従来の課題は軽減されている。使う上で問題はない」との感想も報告されています。
ただ、ゴーグル型は重さがあるので、疲れを感じさせないためには眼鏡タイプのディスプレーでないとだめだ、という声もあります。普段は眼鏡として使い、新幹線に乗ってスイッチを入れると大スクリーンが現れる。新幹線の座席が劇場に……。そんな生活を期待する声もあります。ゴーグル型Vision ProがAR/VRの幕開けになるか、それともまだ先のことなのか、注目したいところです。
米アップルはゴーグル型ヘッドマウントディスプレー「Vision Pro」を発表しました。
AR(Augmented Reality:拡張現実)、VR(Virtual Reality:仮想現実)などの空間コンピューティング市場は成長産業の一つで、民間のシンクタンクによると、2027年、グローバルの市場規模は4兆円に達すると試算されています。アップルの製品によって、ARやVRが本格的に普及すると期待されています。
その理由の一つは、製品を開発したのがアップルだからということもあります。アップルはMacを発売しPCに革新を起こした会社です。さらに、iPodが携帯型デジタル音楽プレイヤーを変え、iPhoneが携帯電話をガラケーからスマホへ進化させました。今回のVision Proが空間コンピューティングの幕開けになるといわれるのもうなずけます。
実際、新商品Vision Proには、12のカメラと6つのマイク、5つのセンサーが搭載され、目や手、声を使って簡単に操作できます。とくに、目の動きに対する精度は高く、反応が良いので使用感は快適。センサーの働きで、手は高く上げずに膝の上に置いても操作できるため疲れない、という報告もあります。
何より、3Dカメラが搭載されており、写真やビデオが驚くほど美しいのも特徴です。パノラマが観る者を包み込み、撮影した場所に立っているような気分になります。家族との写真を見返すことで、楽しい記憶が追体験でき深い感動を与える。こうした体験は他では味わえません。
来年初旬、まずはアメリカから販売されます。価格は3,499米ドル(約49万円)と高めです。ただ、仕事でも使え、机やモニターが不要になり家賃が浮きます。何より、これまでにない体験が味わえる、とすると、使い方次第では高いものではなくなりそうです。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)