配偶者控除の適用を受ける配偶者の所得金額の範囲に注意!
暗号資産(仮想通貨)などブロックチェーン技術に関連した税制改正が徐々に進んでいます。4月には、自社で保有する一部の暗号資産を法人税の期末時価評価の対象から除外することとなりました。政府は、ブロックチェーンに関する事業環境整備を進める方針を示していますが、課題は山積しています。
4月に法人税の期末時価評価の対象から除外されたのは、ブロックチェーン事業者が自社で発行した「FT(代替性トークン)」。暗号資産や投票権の機能を持つ「ガバナンストークン」などの種類があります。デジタルアートなどに使用される「NFT(非代替性トークン)」と異なり、FTは通貨と同じように誰が持っていても価値が変わりません。
FTは、新規株式公開(IPO)と同じく資金調達の手段としても使われますが、事業者は発行したトークンの全てを暗号資産取引所に公開するわけではなく、事業のガバナンスを効かせる目的で自社保有しておくことが多いのが実態です。
期末時価評価では、FTの市場価値がそのまま自社保有分の価値として課税されてしまうため、調達資金と同額がそのまま徴税されてしまうケースがありました。これを問題視した自民党デジタル社会推進本部のweb3プロジェクトチームが昨年11月に提言し、今年度の税制改正大綱に盛り込まれていました。
ただ、改正項目に第三者が発行したFTを「短期売買」以外の目的で保有した場合に対象から除外する内容は盛り込まれませんでした。海外では簿価評価が当たり前で、ドバイの一部の地区やシンガポールではそもそもFTを運用して得た含み益にも課税されません。
反対に、日本はFTの個人取引で得た所得は「雑所得」として扱われ、最高税率の55%が課税されてしまいます。こうした点なども問題視している同プロジェクトチームは、個人取引の損益は税率20%の申告分離課税の対象とすることなどを求めています。
<情報提供:エヌピー通信社>