税務調査 新人調査官と再任用調査官
インボイス制度への対応に特化したIT導入補助金「デジタル化基盤導入類型」の2023年分の公募要領が公表されました。会計ソフトや受発注ソフト、クラウド利用料などインボイス制度にかかわるITツールの導入費用につき最大350万円の支援が受けられるうえ、22年の採択率は8割近くに上った〝大盤振る舞い〟の補助金。交付申請の受付は3月下旬に始まっています。
今年10月に始まるインボイス制度では請求書業務の事務負担が増大します。請求書の記載内容として新たに、①インボイス発行事業者であることを示す13桁の登録番号、②消費税の軽減税率制度に基づく適用税率、③税率ごとに区分した消費税額――の3つが加わり、入力や確認の手間が煩雑化するためです。また、これまで処分可能だった3万円未満の請求書や自社が発行した請求書の控えについて原則として保存しなければならなくなり、管理する枚数も物理的に増えます。
インボイス制度に対応したソフトウエアを浸透させることを目的として昨年から設けられているのが、IT導入補助金のデジタル化基盤導入類型。補助対象が事業者向けITツール全般にわたる通常枠と異なり、デジタル化基盤導入類型では会計ソフトや受発注ソフト、決済ソフトといったインボイス制度に関係するものに限られてはいるものの、補助率が最大4分の3(通常枠は最大2分の1)に引き上げられているのが特徴。また、レジスターや発券機など特定のハードウエアについても補助対象になります。2023年分から変更となる点として、補助額の下限を5万円とする規定が撤廃されました。これにより従来は補助対象外となっていた安価なソフトウエアでも今後は申請できるようになっています。
4月中旬時点では3次締め切りまでのスケジュールが公表されています。1次締め切りは4月25日、2次締め切りは5月16日、3次締め切りは6月2日。なお、事業者向けITツール全般を対象に最大450万円を補助する「通常枠」やサイバー攻撃対策に最大100万円を支援する「セキュリティ対策推進枠」の交付申請の受付も同時に始まっています。
<情報提供:エヌピー通信社>