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白色申告の7割が記帳不備発覚

伊藤惠悦

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テーマ:所得税

白色申告者の7割超が税務調査で「記帳不備」と指摘されていたことが政府税制調査会の財務省提出資料で明らかになりました。記帳不備とは、記帳事項が相当欠落しているか、記帳がおおむね3カ月以上遅滞している、記帳を全くしていない、帳簿の提示がなく記帳状況が不明――のいずれかに該当した事例を指します。

今回示された資料は、納税環境整備に関する専門家会合での「事業者の適正申告の確保・記帳水準の向上」の議論の中で示されたもので、2018事業年度の記帳不備割合は、白色申告が74.2%と高く、青色申告の簡易簿記が22.5%、青色申告の正規簿記が6.2%でした。

白色申告と簡易簿記は資産項目の異動が記帳されず、財務省は「申告漏れが生じる可能性が高い」と指摘。一方、青色申告の正規の簿記では、資産項目の異動が記帳されていることから、「所得額を検証することができ、申告漏れの防止につながるメリットがある」(財務省)としています。財務省は、現金で販売した商品の「売上」を記帳し忘れても、商品の数の減少や現金の増加などの資産項目の異動状況を見れば、売上の記帳漏れを把握できることを強調しています。

青色申告には税制上のメリットも多いとされますが、法人の青色申告率は99%台で推移しているのに対し、個人事業者の青色申告率は例年60%前後となっています。財務省の資料で示されたアンケート調査によると、白色申告を続ける理由は「売上が多くないので青色申告にする必要がない」「白色申告は記帳の義務がない」「青色申告をするメリットがない」といった回答が上位を占めました。

会合では「一定の猶予期間を設けて、必要な支援策を講じて、白色申告は廃止、もしくは例外的な措置とするべきではないか」とする発言も飛び出しています。

<情報提供:エヌピー通信社>

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