個人が支出した寄附金の所得控除と税額控除の取扱い
財務省と国土交通省は、住宅ローン減税の特例措置の適用対象となる入居期限を2年延長する方針を決めました。もともと消費増税対策として講じたものですが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う支援でも「住宅販売の維持に必要不可欠な施策」(国交省幹部)と位置づけ、当面維持することにしたものです。両省の意向を受けて12月にまとめる税制改正大綱に盛り込まれる予定です。
住宅ローン減税は、10年間にわたってローンの年末残高の1%を所得税から控除する制度で、国税庁によると18年の住宅ローン控除の適用者は24万8千人に上りました。
政府は住宅ローンについて、19年に消費税率を10%に引き上げた際に特例措置を導入し、20年12月までに入居すれば控除期間を13年間に拡大することにしました。一方で新型コロナを受けた措置でも、今年9月末までの契約などを条件に、21年末までの入居者に対して同じ措置を認めています。
両省はこうした対応について、21年9月末までに契約し、22年末までに入居した場合でも13年間の控除を適用する考えです。また住宅の床面積が50平方メートル以上という要件についても緩和し、夫婦だけで住むような小さな物件でも対象に含めることを検討します。
消費増税時の特例を延長するのは異例。しかし新型コロナの感染拡大により住宅販売はしばらく低迷する見通しで、契約から入居までは一定の時間がかかることもあり、国交省や住宅業界で税制優遇の延長を求める声が高まっていました。さらに自民党の税制調査会も延長の賛成に回ったことで、当初は消極的だった財務省も折れざるを得なくなった状況です。