契約書の作成意義とは
国土交通省は、緊急事態宣言時における店舗の休業要請等により、賃料の支払が困難なテナントが急増していることから、不動産関連業界に対し、賃料の支払が困難なテナントの状況に配慮して支払の猶予や賃料の減免に応じるなど、柔軟な措置の実施を検討するよう要請を出しております。
税制上の取扱いでは、すでに、テナント(賃借人)支援のために、賃料を一定の期間減額した場合、その減額した分の差額は、法人税上、寄附金として取り扱われないことが明らかになりましたが、不動産賃貸業者の中には、テナントへの賃貸について消費税率等の経過措置(旧税率8%)の適用を受けているケースも多く、要請に応じて賃料を減額してもこれまで同様に、経過措置が適用されるのが気になると思われます。
この点について、国税庁では、新型コロナウイルス関連のFAQにおいて、資産の貸付けに係る消費税率等の経過措置(旧税率8%)の適用を受けている賃料を、2019年指定日(2019年4月1日)以後に変更した場合は原則、変更後に行われる資産の貸付けにはその経過措置は適用されませんとしております。
しかし、その賃料の変更が「正当な理由に基づくもの」であれば、経過措置が適用されると説明しておりますので、該当されます方はご確認ください。
そのため、政府の要請を踏まえて新型コロナウイルス感染症等の影響を受けた賃借人の支援のために賃料を減額することが明らかな場合は、「正当な理由に基づくもの」に該当するので、引き続き資産の貸付けに係る消費税率等の経過措置が適用されます。
その際、賃料の減額に係る変更契約書や覚書等において、新型コロナウイルス感染症等の影響を受けた賃借人の支援のために賃料を減額する旨を明らかにしておく必要があるとしております。
さらに、不動産以外の資産(事務機器等)の貸付けについて、 新型コロナウイルス感染症等の影響を受けた賃借人の支援のために 賃料を一定の期間減額する場合も同様に取り扱って差し支えないこと、また、政府の要請が行われる前に、賃貸業者が、新型コロナウイルス感染症等の影響を受けた賃借人の支援のために 賃料を一定の期間減額した場合も、同様に取り扱って差し支えないとの考えを示しておりますので、該当されます方はあわせてご確認ください。
(注意)
上記の記載内容は、令和2年8月7日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。