領収書と印紙税
日本商工会議所は、「中小企業における消費税の価格転嫁等に関する実態調査」結果(有効回答数3,305社)を公表しました。
それによりますと、消費税率引上げ後の価格転嫁については、68.0%の事業者が「転嫁できる」と見込んでおり、「一部転嫁できない」が23.2%、「全く転嫁できない」が8.9%となりました。
売上高別をみてみますと、BtoB事業者はいずれも76.4%が「転嫁できる」としているものの、 BtoC事業者では「1千万円以下の事業者」が56.4%となりました。
BtoC事業者の消費税率引上げ後の価格設定では、「全ての価格を一律2%引き上げる」が50.8%、「一部の価格を据え置く」が23.0%、「全ての価格を据え置く」が7.1%となりました。
軽減税率制度への取組状況については、軽減税率対象品目を扱う事業者における「請求書・領収書等の区分記載対応(BtoB事業者)」、「レジの複数税率対応(BtoC事業者)」について、「対応済み/対応中」と回答した事業者は、それぞれ62.9%、59.9%となりました。
そのうち、売上高別でみますと、小規模な事業者ほど「未着手」の割合が増加しており、売上高5千万円以下の事業者では、45.5%が「未着手」となりました。
テイクアウト・イートインが発生するBtoC事業者においては、「総額表示」、「外税表示」のいずれも多様な表示方法等が検討されており、経理事務負担の状況については、「売上高1千万円以下の事業者」では29.9%が経理事務を「全て社内で対応」しており、税理士等外部専門家の関与はありませんでした。
インボイス制度の認知度については、課税事業者の46.2%、免税事業者の58.1%が「知らない」と回答しております。
なお、課税事業者のうち、「免税事業者との取引は(一切又は一部)行わない」が10.3%、「経過措置の間は取引を行う予定」が7.3%となりました。
また、免税事業者(BtoB事業者)のうち「課税事業者になる予定はない」が12.0%、「廃業を検討する」が7.5%となりました。
今後の動向に注目です。