老後資金を用意するには
税務調査において、棚卸資産の計上漏れを指摘される場合があり、とくに棚卸資産の取得価額の算定についての誤りが多く見受けられ、所得を計算する際に期末棚卸資産の計上額が過少となると申告額が過少となってしまうので、取得価額に含めるべき費用や含めなくてもよい費用の区分も含め重要となります。
棚卸資産の取得価額には、購入代価のほか、その資産の消費・販売のために直接要した費用である購入付随費用も含まれますが、取扱いの上では、事務処理の簡便化の観点から、その購入付随費用が棚卸資産の購入代価の概ね3%以内と少額である場合には、取得価額に含めず、経理処理することも認められております。
ただし、少額の購入付随費用であれば、どんなものでも経理処理できるというものではありませんので、ご注意ください。
経理処理が認められている購入付随費用は、棚卸資産の取得後に生じた購入付随費用に限定されており、法人税基本通達では、一定の要件の下、経理処理が認められる購入付随費用を挙げております。
具体的には、
①買入事務、検収、整理、選別、手入れ等のために要した費用
②販売所等から販売所等へ移管するために要した運賃、荷造費等の費用
③特別の時期に販売するなどのため、長期にわたる保管に要した費用を挙げております。
ただし、購入した棚卸資産の場合、その取得価額には、購入代価のほか、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税など購入のために要した費用や消費・販売の用に供するために直接要した費用も含める必要があります。
これらの費用については3%の少額基準は適用されず、運送保険料や関税については、誤って保険料や租税公課として処理してしまう場合がありますので、ご注意ください。
なお、棚卸資産に係る付随費用のうち、下記の費用は、たとえ棚卸資産の取得や保有に関連して支出するものでも、棚卸資産の取得価額に含めないことができます。
①不動産取得税
②固定資産税、都市計画税
③特別土地保有税
④登録免許税その他登記や登録に要する費用
⑤借入金の利子
さらに、棚卸資産を保管するのに要した費用(保険料を含む)も、取得価額に算入しないことが認められておりますので、該当されます方は、ご確認ください。
(注意)
上記の記載内容は、令和元年7月15日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。