大改革の成功要因
国税庁は、2017年分の国外財産調書の提出状況を公表しました。
それによりますと、2017年12月31日における国外財産の保有状況を記載した2017年分の国外財産調書の提出件数は、2018年6月末までに提出されたもので、前年比4.9%増の9,551件、その総財産額は同11.0%増の3兆6,662億円となりました。
局別に提出件数をみてみますと、東京局が6,154件(構成比64.4%)、大阪局が1,331件(同13.9%)、名古屋局が699件(同7.3%)となりました。
財産額でみてみますと、東京局は2兆7,485億円にのぼり、全体の75.0%を占めました。
また、財産の種類別総額では、有価証券が52.5%を占める1兆9,252億円で最多、以下、預貯金が6,204億円(構成比16.9%)、建物が4,038億円(同11.0%)、貸付金が1,705億円(同4.7%)、土地が1,449億円(同4.0%)、それ以外の財産が4,014億円(同10.9%)となりました。
2014年から個人を対象に義務化された国外財産調書は、自主的に自己の情報を記載し提出するものであることから、インセンティブ措置等が設けられております。
具体的には、調書を期限内に提出した場合には記載された国外財産に係る所得税・相続税の申告漏れが生じたときであっても加算税を5%軽減すること、調書の提出がない場合又は提出された調書に国外財産の記載がない場合に、その国外財産に関して所得税の申告漏れが生じたときには、加算税を5%加重します。
また、2015年からは故意の不提出や虚偽記載に対して1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。
国外財産調書の提出者及び提出を要すると見込まれる者に対する2017事務年度(2018年6月までの1年間)における所得税及び相続税の実地調査の結果、上記の5%軽減措置を適用したのは168件、増差所得等金額は45億7,467万円となり、上記の5%加重措置を適用した件数は194件、同51億1,095万円となりました。
(注意)
上記の記載内容は、平成31年3月8日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。