源泉徴収が必要なホステス等へ支払う報酬・料金とは
会計検査院は、中小企業等の貸倒引当金の特例措置の適用状況を公表しました。
それによりますと、法定繰入率と貸倒損失発生率との間にかい離があることから、貸倒引当金が過大に計上されて法人税の減収につながっていると指摘しております。
同特例は、中小企業等の貸倒引当金の繰入限度額について、法定繰入率を用いることができ、中小企業等のうち公益法人等及び協同組合等については、繰入限度額を割増しできる措置です。
また、内国普通法人における事業区分ごとの貸倒損失発生率を算出したところ、全事業区分において、引当金の繰入限度額の計算方法として認められる「法定繰入率」が実際の貸倒損失発生率を上回っていました。
2011年度から2015年度に特例を適用した法人は、延べ約178万法人あり、損金算入額は1兆2,902億円にのぼり、全業種で法定繰入率が貸倒損失発生率を上回りました。
なお、農林水産省の資料を基に繰入率特例による法人税の減収額を推計したところ、537法人で計133億余円となりました。
消費税等の課税事業者で所得がある1,494法人について、消費税等の課税事業者において損失とはならない仮受消費税相当額に係る貸倒引当金繰入額のうち損金の額に算入された額を試算し、これを基に推計した法人税の減収額は計2億余円となりました。
会計検査院は、法定繰入率と貸倒損失発生率との間にかい離があること、期末一括評価債権額に損失とならない仮受消費税相当額が含まれていることなどから、繰入率特例における繰入限度額は合理的に測定されるなどしたものとなっているとはいえないおそれがあると指摘し、関係省庁に対し、貸倒引当金の特例の検証を行い、国民に対する説明責任を的確に果たしていくことを求めました。
法定繰入率により繰入限度額を算出する措置は、1950年度税制改正により事務の簡素化等を目的として創設されて以降、法人税法等で規定され、法定繰入率は、概算で繰入率を定めているという趣旨に鑑み、常に貸倒実績率を斟酌しつつ、合理的に測定された適正なものとすることが必要として、随時、貸倒れの実績率とのかい離がある場合には引下げ等が行われてきました。
今後の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、平成31年2月8日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。