国税庁:2021事務年度における法人消費税の調査事績を公表
2017年度税制改正において、多額の所得があり、財務状況が脆弱とは認められない企業が、中小法人課税の適用対象となっているとの批判をふまえ、一定所得金額を超える事業年度の租税特別措置の適用を停止する措置が盛り込まれました。
具体的には、「法人税関係の中小企業向けの各租税特別措置について、平均所得金額(前3事業年度の所得金額の平均)が年15億円を超える事業年度の適用を停止する」とされました。
なお、この停止措置の適用前に適用期限を迎える租税特別措置についても、2018年度以降の税制改正で適用期限が延長された場合には、この租税特別措置の停止措置の適用対象に含まれます。
また、この適用停止措置について、設立後3年を経過していない等の事由がある場合には、その計算した金額に一定の調整を加えた金額により判定するなどの判定方法が政令により明らかにされております。
それによりますと、適用停止となるのは、各種租税特別措置適用前の3年以内に終了した各事業年度(基準年度)の所得金額の合計額をその各事業年度の月数の合計数で除し、これに12を乗じた金額が「15億円を超える法人」が該当します。
具体的に、政令から調整事由とそれに対する調整金額をみてみますと、「3年以内に終了した各事業年度」がない、設立後3年を経過していない法人は、基準年度の所得金額の年平均額をゼロとすることができます。
また、判定する際の所得金額が欠損金繰越控除後の金額とされていることのバランスから、欠損金の繰戻し還付の適用があった場合には、その還付の計算の基礎となった欠損金額相当額を還付対象の基準年度の所得金額から減らす必要があります。
そして、判定する法人が合併等により設立された場合や、支配関係がある法人を被合併法人等とする合併、休眠法人を合併法人等とする合併が行われた場合には、原則、その合併等に係る被合併法人等の所得の金額を合併法人等の基準年度の所得金額に加算することを明らかにしており、法人の成り代わりによる租税特別措置の適用停止措置逃れを防止するため、基準年度がない場合に年平均額をゼロとする措置は適用されません。
上記の改正は2019年4月1日以後に開始する事業年度から適用されますので、該当されます方は、ご注意ください。
(注意)
上記の記載内容は、平成29年11月13日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。