アタッチメントは安心の共有
その子の内側の体験の世界」第77回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
「その子を見守る」の意は、その子を放ったらかしにするという意味ではありません。
その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
次は、「その子にはたらきかける」です。
親は、わが子が5歳になるまでに積極的にかかわることがとてもたいせつになります。
これは、子育ては「脳を育てること」で詳細に解説しました。
もう一度、読み直しましょう。
「その子を見守る」9
「その子を見守る」の意は、その子を放ったらかしにするという意味ではありません。
その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。
診断は操作的診断2
発達障害の診断とは、どのようなものでしょうか。それは「操作的診断」というものです。「操作的診断」ってなに?と考えていらっしゃる方に、この「操作的診断」について述べたいと思います。
<症状でグループ分けするというアイデア>2
<マスとしては使いやすい>2
「操作的診断」の前までの伝統的な診断方法では、「症状」に加えて「家族歴」「生活歴」「病前性格」「発病状況」「経過」などを判断材料に加えることで診断の確度を上げる努力をしていました。どんな家族(遺伝要因、環境要因を含め)のもとに生まれ育ち、どのような生活環境の中をどんな体験をしてきて、どんな性格特徴の持ち主で、いかなる状況下で発病(症状の出現)が起き、その後、症状がどう動いてきたかを患者ごとにそれらの個別的な特徴をとらえ分けて診断するのが普通でした。それが、「症状」一点に絞った極めてシンプルな診断手法に変わったのです。
この「操作的診断」は、症状の項目リストをチェックすれば機械的に診断名が付けられる仕組みで、診察者個人の技量や経験に診断が左右される度合いが少ないのです。つまり、誰でも一致した診断に達しやすいのです。医療水準の地域格差を頭におかなければならないグローバルな調査には、これが大きなメリットになります。患者一人ひとりの病因・病理を掘り下げて個々の患者への理解を深める実地の診療には全く不向きですが、個別性を離れたマスとして大まかに病気をとらえる統計学的な調査にはかなった方式ではあります。つまり、統計処理の便宜のため、全ての診断名にコードナンバーがふられており、これがこの診断システムの目的でした。
次回に続きます。



