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その子の内側の体験の世界61

吉田洋一

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テーマ:子育て支援

その子の内側の体験の世界」第61回目を解説します。
 キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
 「その子を見守る」の意は、その子を放ったらかしにするという意味ではありません。
 その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。
 また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
次は、「その子にはたらきかける」です。
 親は、わが子が5歳になるまでに積極的にかかわることがとてもたいせつになります。
 これは、子育ては「脳を育てること」で詳細に解説しました。
 もう一度、読み直しましょう。


「その子にはたらきかける」18
 
 言葉のはじまり
 
一般にしつけの始まる1歳代に入ると言語の獲得が始まります。言語もまた人間が社会的に文化的につくり出した約束やルールで、しつけと言葉の獲得とが時期的に重なるのは、偶然ではないかもしれません。しつけとの違いは、言葉の方は、大人が意図的にはたらきかけなくても、子どもが自ずから自発的に習得していくとこです。しかし、ここでも大人は知らず知らずに大きな関りをしています。

 まず、言語がどのような構造をもっているか説明しましょう。
 
 言葉の構造ー指示性(認識)と表出性(関係)

 情報伝達の信号系としての言葉なら、他の動物でももっています。しかし、人間の言葉は単なる信号ではなく、世界をとらえ分けるための意味(概念)や約束(規範)の体系を成しています。私たちが物事を認知的にではなく認識的にとらえるのは、この人間固有の言語のはたらきによります。この言語のはたらきを言語の「指示性」と呼びます。「これは〇〇です。」など対象を指し示すあるいは認識する機能です。
 それと同時に、人間の言葉は相互交流のチャンネルであり、私たちは言葉によって体験を共有しあい「関係」をもちあっています。この場合、単に情報を伝え合うのではなく、何よりも情動を分かち合うはたらきを言葉は備えています。
 このはたらきを言語の「表出性」と呼びます。「えーすごい!」など情動を表出する機能で、情動は人間同士の関わりのなかで絶えず生起し、また人間同士の関わりを動かす大きな力となっています。

 次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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