これからの子育て2
「その子の内側の体験の世界」第34回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
「その子を知る」33
○肛門期
トイレット・トレーニングによるかかわり、つまり肛門が親子の交流の大切なチャンネルとなる幼児期前半になります。
「快便」の言葉があるように排泄には生理的欲求がみたされるので、快感がともないます。
トイレット・トレーニングによって、幼児はこの快感を好きな時に好きなだけ満足させるのではなく、「排泄はお手洗いで」という社会的な文化的なルールに従って満足しなければならないことを養育者から学びます。
人間はけっこう驚いたことをしますが、人前で公然と排泄するということはできません。いくらなんでもという抵抗感が理屈抜きにこころにあるからです。
このように、社会的な文化的な規範や約束がこころに深く根づいておのずと行動を規制する力となったものを「超自我」とフロイトは呼びました。個人を超えた社会的な強い力という意味です。
このトイレット・トレーニングをはじめとするしつけを通して、幼児はその社会で共有されている規範をみずからも共有し、社会的存在となる第一歩を踏み出します。
次回に続きます。