言葉の綾の段階(言語獲得のプロセス)
本日も、マイケル・ポプキンによるアクティブ・ペアレンティングから、これからの子育てについてご紹介します。
<子育ての目的> 私たちはどのような子どもを育てようとしているのか
では、子どもたちがもっとより良く生きることができて繁栄するためには、どのような資質が必要なのでしょうか。この問いへの答えは、私たちの子育ての目標を決めることになるのでしょう。
ある時、私はカウンセリングに来た父親に、「子どもに何を望みますか?」と尋ねたことがあります。すると、その父親はうつろな目で私を見ながら「盲目的な服従です」と答えたのです。もし、私たちが親に服従する子どもを育てたならばどうなるのでしょうか?そのような服従は、選択と議論に満ち、個人の責任とリーダーシップが尊重される現代社会において、自分の可能性を伸びやかに発揮するのに役立つでしょうか。明らかに答えは「ノー」です。
人間が社会の中で生き抜き、繁栄するためには、多くの特質があげられますが、その中でも特に次の三つが基本的だと考えます。
まず、第一に「勇気」です。
アルフレッド・アドラーは「もし子どもにたった一つだけ贈り物を与えることができるならば、私は「勇気を贈る」だろう」と言いました。「もし子どもが勇気を持っていたら、自分が学ぶ必要のあることすべてを学ぶことができるだろう」と考えたからです。勇気を育てられた子どもは、たとえ失敗をしても再三挑戦し、そしてやがては人生の様々な困難をも克服することができるようになるでしょう。しかし、勇気という資質を育てられていない子どもは、すぐあきらめてしまうか、やる気が起こらないかもしれません。そのうえ、失敗するのではないかという恐れと、恐れを強化する失敗がお決まりのパターンとなり、後悔と恨みの人生を送ることになるでしょう。勇気は子どもが自分のパーソナリティを築き上げる土台であり、人間の可能性の核心です。
第二の資質は「責任感」です。
ルドルフ・ドライカースは、アドラーが築いた基本理論を受け継ぎ、さらに発展させた心理学者ですが、個人の成長と生存のための責任感の重要性を強調しました。民主社会では人は自分で決断し、その選択の結果を受け入れなければなりません。子どもたちはこれから生きていく上で、何千という選択の中には、正に生死の問題もあるでしょう。麻薬の誘惑もあるかもしれません。他にも、タバコ、飲酒、性行為、犯罪、ドロップアウト、ついには生死の問題も・・・です。
親である私たちは、いつまでも子どもの側にいて、その都度、子どもにどうしたらいいのかを教えることはできません。子どもたちは自分でどのようにして才能を伸ばすか、どのようにして生計を立てるか、あるいはもっと理想的な社会を創造するには自分がどのような役に立つことができるか、あるいは、もっと理想的な社会を創造するには自分がどのような役に立つことができるかなど、自分で考え、選択しなければならないでしょう。親は子どもたちが責任ある決断ができるように準備し、その決断の背後にある勇気を子どもの中に育てるならば、子どもは困難な出来事にも立ち向かうことができるようになるのです。
第三の資質は「協力精神」です。
子どもたちに発達させてほしいと思う資質です。ある人々の間では「競争心が成功への道」と強調されていました。しかし、現実にはチームワークのマジックに気づいた人々が、この社会をリードしてきたのです。人生は依存でも孤立でもなく、お互いに助け合うものだということを子どもたちに教えることが、アクティブ・ペアレンティングの基本なのです。
平等な人びとの社会では、協力精神は大変価値があるものです。自分以外の仲間と協力できる子どもは、協力することを学んでいない子どもよりも、生き抜く力や能力を発揮する力はずっと強いのです。ですから、親子関係そのものが対立関係よりもむしろ協力関係であることが望ましいのです。しかし、子どもたちが協力するようになるためには、命令したり要求したりすることは有効ではありません。協力しようとする姿勢を育てなければならないのです。
次回に続きます。