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記憶

吉田洋一

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テーマ:運動と脳

 記憶とは、新しい事象を覚えて保持し、必要なときに引き出す働きをいいます。記憶にも多くの種類があり、いくつか分類方法があります。その一つは記憶の内容による分類です。
 例えば、意識を伴い、覚えた知識や過去の体験などを言葉やイメージによって表現できる「陳述記憶(宣言的記憶)」とそうではない「非陳述記憶(非宣言的記憶)」に分ける分類があります。
 陳述記憶には、「意味記憶」と「エピソード記憶(出来事記憶)」があります。意味記憶は言葉の意味や固有名詞などの一般知識で、エピソード記憶は個人的な経験や出来事です。
 非陳述記憶には、自転車乗りやギター演奏など意識を伴わない技術や癖などの「手続き記憶」があります。
 私たちは、目や鼻や耳などの感覚器から常に膨大な情報を得ていますが、特に意識しない限り、1秒程度で情報は消失します。これを「感覚情報保存(感覚記憶)」といいます。
 一方、何らかの理由で注意を向けた事象は記憶が保存されます。ただ、例えばメモに書かれた電話番号をパッと見てダイヤルすると、電話をかけ終えれば番号を忘れてしまいます。このような15秒から30秒しか保持できない記憶を「短期記憶」といいます。
 電話番号も、何度も同じ番号にかけていると、やがては覚えてしまいます。このように短期記憶が何度も繰り返されることにより、分単位、あるいは年単位で長期に記憶することを「長期記憶」といいます。
 このように短期記憶や長期記憶には、脳内の複数の部位が複雑に関わっていることをご理解ください。
 次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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