自ら行う自主的な能動的「身体運動」とは
運動はなぜ脳に良いのでしょうか。原始時代に遡ってみましょう。約1万2000年前の新石器時代、私たちの祖先は現代人よりもはるかに活発に動きまわっていました。理由は単純です。人類の歴史において、ほとんどの時代は身体を動かさなければ食料を手に入れることも、生き延びることもできなかったのです。そのために私たちの身体は動くのに適したつくりになっているのです。脳も例外ではないのです。つまり、食料を確保するために、生き延びるために、脳は進化したのです。現代の生活習慣は一変し、その結果もともと身体が適応していた生活からはますます遠ざかってしまいましたが、私たちの脳は、食料を調達するために、狩りに出かけたりするためのプログラムが構築されているのです。ですから、私たちが活発に動くことに、脳は何より敏感に反応するのです。
運動すると気分が爽快になるだけでなく、集中力や記憶力、創造性、ストレスに対する抵抗力も高まります。そして情報をすばやく処理できるようになります。つまり、思考の速度が上がり、記憶の中から必要な知識を効率的に引き出せるようになります。
次回に続きます。